2話 あんな、天使ってふたりおんねん。(ソフィア)
あの怒涛の意味わからんラッシュから一晩。
私は仕事を教わりつつ、メイドとして働くことになった。
朝、7の鐘が鳴るころにキッチンからお部屋に朝食を運ぶ。
食事を運ぶのは慣れてるからさ。任せろっ!
でもメアリー様を起こしたりドレスを決めたりするのは先輩の仕事。
寝起きとか絶対天使越えるでしょ。
選んだドレス着てもらうの絶対楽しいじゃん…ちょっと残念。
メアリー様はとても身分の高い方だ。年齢を考えてもメイドは十数人が妥当。
なのに私を含めて3人しかいない。
・立ち姿が美しいおばあちゃんメイドのグウェン(かなり昔から仕えている)
・癖強美女メイドのシェロン(美容のプロフェッショナルで年齢不詳)
「お嬢様の御意向ですよ。」byグウェン
「シェロンもグウェンちゃんも超~っ優秀だからぁそんなにいらないのよぉ」byシェロン
…なるほど。
…ん?グウェンさんをちゃん付け…シェロンさんって何s…ゴホンゴホン。
◆◆◆
メアリー様の一日は忙しい。
朝から貿易に関する書類にバーッと目を通して判子を押す。
そしてその後商人との打ち合わせ、午後からは職人街の視察に行った。
「メアリー様はこんなにお仕事をなさるのですか?」…まだ12歳だよね?
シーツを干しながらグウェンさんが答えてくれる。
「お嬢様は6つのころに商会を立ち上げて以来様々な素晴らしい商品を
開発されております。…私としてはもっと休んで欲しいですが。」
プリムラ商会。
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化粧品から日用品、衣類まで様々な画期的な商品を売り出し流行の中心。
貴族と平民では使う店が違う。商品の質や金額が全く違うためだ。
しかしこの商会は幅広く、超激安商品から超高級商品まで扱っている。
業態面でも新しい、知らない人はどうやって生活しているのか、というほどの店。
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…それをわずか6歳の少女が立ち上げたというのだ。信じられない。
「すごい、、。」天使はスペックも別格。
「ええ。お嬢様は本当にすごい方ですよ。」
え、グウェンさんもう干し終わったの?
頑張ってスピードを上げつつさらに訊いてみる。
「ナタリー様もお仕事をされているんですか?」
「いえ、将来の国母となるために授業を受けておられます。」
商売の才能に恵まれ、ふわふわしたメアリー様、
話術に長け、カリスマ性を持ち合わせた凛としたナタリー様。
どちらもとても優秀で、天使顔負けの外見は瓜二つだが性格や雰囲気が全然違う。
親友のように仲がいいんだとか。凸凹コンビって感じだね。素敵。
以上、
天使が二人で戯れているところをどうしても見たいソフィアでした。