別視点 かたわれ(ナタリ―)
何も言ってくれない、あれだけ表情豊かだったのに。
あの笑顔が恋しい。
「マナーの先生がね、できるまでおやつ抜きですよって。ひどいわあ。」
「お兄様ったらね、大臣のことをおハゲ様って呼んでるのよ。ふふっ。」
今まで誰にも言えなかった愚痴や内緒話が溢れ出てきます。
私が周りからどう見られているのかわかっていますの。
「ナタリーちゃんはほんとに優秀ね」
「立派な王妃最有力候補ですな。」
「凛々しくて美しいっ!かっこいいです!」
――――
そんなのじゃありませんわ。努力してようやく、この程度。
っお友達にも家族にもそう思われ続けないといけない。
じぶんの弱いところを誰にも見せてはいけない…。
だから、こんなこと言えるひとがいなかったのです。
暗がりの中、本当の自分に戻れる気がする。
メアリーはちっとも動かないし何も言わないけど
ちゃんと聞いてくれて、うんうん。て言ってくれてる気がする。
――――
だからお兄様からメアリーがしゃべったと聞いたとき
…少し残念な気持ちもありましたの。
もちろん嬉しかった。あの笑顔が近いうちに見られるわ。
けれど一瞬でも残念だなんて。
いやよね。こんな姉。
どんどん回復していく妹には病気以前のように凛々しく、
立派な姉として接さなければ。
そんなある日、
「お姉さま、またお話を聞かせてください!」
そう、メアリーがせがんできたのです。
「お、お話ですの?」
「はい!私がぼうっとしてた時に聞かせてくれたお話、楽しかったです。」
今度は相槌だって打てますっ!と。
本当に聞いてくれていたの?
楽しかったの?
私を情けないと、思わなかったの?
また聞きたいと、思ってくれたの?
わたくしがずっと欲しかった、本音を話せる人ができるかもしれない。
それから私たちはいろいろな話をしました。
時には大笑いをして、からかい合って、こっそり街に遊びに行って、
一緒に怒られて。
◆◆◆
「お姉さまはね、格好いいと思う。誰よりも一生懸命だから。」
メアリーは私の努力を、見てくれていた。
認めてくれた。
「私ね、どうしても助けたい人がいて、、、」
嫉妬していたけどメアリーもちゃんと頑張ってた。
私が見ていなかっただけで。
今では、メアリーは私の一番の親友で、
かけがえのない、双子ですわ。




