3
翌朝……やはり寝て覚めたら日本でしたっていうことはないのですね。
年長者の私がしっかりせねばです。私が勤めていたお社は大丈夫でしょうか?バイトの子もいましたが、ちゃらんぽらんな子なのでとても心配ですね。
バイトの子は「神様なんかいないですよぉ」とよく言ってましたが、神様は実在されてます。時たま神様の声が聞こえてくる感じがあるのです。生まれた時からお社にいるからでしょうかね?見守られてる感じがしてとても安心感があります。
もちろん女性と男性で部屋を別にしたので私は葉桜さんと同じ部屋です。寝顔はとても可愛らしいですね……何故この子はタトゥーを入れたのでしょうか?とても賢い子なので入れた後の将来のことは分かっているはずなのに。
「葉桜さん、朝ですよ。起きてください」
「んん…ぅん」と言ってるだけで葉桜さんは中々起きてくださりません。困りましたね……どうやって起こしましょうか?
「葉桜さん!葉桜さん!朝ですよ!!!」
「…………お、きた、……ます」
「不思議な敬語ですね」と微笑みながら私は言いました。やはり高校生といえど子どもですね。
「木花さんって……凄いですね」
「何がですか?」
「私達は逃げるって決めたけど……私達だけだったら、この王都の外れの宿にさえ泊まれませんでしたよ。お金の使い方も分からなかったし……」
異世界に来て行動が出来るっていうだけで、私は凄いと思います。それに他人のことを想いやれるのはそうそうできることではありませんしね。
「私は皆さんより年上ですからね。葉桜さん達を守る義務もありますから」
「……木花さんって私の知ってる大人と違いますね」
「それはきっと私が神様に仕えているからですね」
「巫女さんっていうことですか?」と首をこてんとしているのはとても可愛らしいと思いました。不覚にもキュンとしてしまいました……精神統一が足りないですね。
「そうですよ。さて、身だしなみを整えて高橋君達と合流しましょうか」
私達は身だしなみを整えて高橋君達と合流しました。
「さて、一刻も早く隣国に行きましょう」
「ふあぁ……ねえ、桜ちゃん?こんなに朝早くから移動する必要なくない?まだ外暗いよ?」
「あります。私達は逃げているのですから行動するには早い方がいいのです。明るくなると人通りも多くなりますからね」
「ふーん……そっか!それもそうだね」と足立君は納得してくれたようで良かったです。でも、後ろで高橋君と葉桜さんが、足立君に対して怒っているようです。このお2人はとても礼儀がしっかりなさっているので、ご両親がとても真面目な方達なのですね。
「隣国までもう少しですね」
「あの、木花さん俺たちに対して敬語じゃなくていいですよ?全然タメ口で大丈夫なので!」
「私は元々がこの口調なんですよ。お三方も敬語じゃなくていいですよ?私はその方が嬉しいので」
高橋君と葉桜さんは「分かりました」と、足立君は「僕は元々タメ語だしね~」と言ってお2人に叩かれていました。
ついでに名前で呼んで欲しいと言って、木花さん呼びから桜さん呼びに変わりました。
高橋君達からも名前呼びがいいと言われたので、今度から名前呼びにする事になりました。
「魔物というものがよく出ると聞きましたが、村を3個ほど通り過ぎたのに出ませんね」
「不思議だ。まあ、安全に越した事はないので助かった」
「だね……ナナ君大丈夫?」
ナナ君はとても疲れているみたいです。5時間ほど歩きっぱなしなので先程から「足パンパーン!疲れたー!」や「休もーよ!」等を叫んでます。なのに魔物は出て来ないので良かったです。
「あの村で少し休憩しましょうか」と私は見えてきた村を指さし3人に言った。
ナナ君の表情はとても笑顔に、璃音君と結さんは隠しきれず少し笑顔になっていました。若者なのに体力がありませんね。