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「えっと、キハナ様は無職となります。他の6名様は勇者ですね!」
私は……この世界では無職なんですね。でも、なんかこの方達怪しい感じです。私が仕えていた神社には沢山の方が来られるので、怪しい人もいましたのでそんな感じがあります。時には犯罪者も来られてたし……。
「では、勇者様方は此方へ。キハナ様はあの騎士の方へ」と案内されました。
騎士さんが案内した所はがらんとしていてベットと机と椅子1個しかない部屋でした。掃除さえしていないのでしょう……隅に埃が溜まっているので。
「姫様がお前はここがお似合いだとよ」と言って部屋から出ていってしまいました。
「さて、私は歓迎されていないみたいですね。まあ、誘拐犯に歓迎されても嬉しくはありませんがね」
あの方達の言葉は全て信じない方がいいでしょう。あの子達は大丈夫でしょうか?心配です……高校生とはいえまだまだ子どもですからね。
私のいる部屋のドアがトントンとノックされた。
「誰ですか?」
「あ、えっと高橋璃音です。入ってもいいですか?」
「どうぞ」
「失礼します」と言って高橋璃音君は入って来ました。意外です……ちゃんと礼儀正しい。
「あの、木花さん」
「なんでしょう?」
「俺達と一緒にこの国から逃げませんか?」と高橋璃音君は言って来ましたがどういうことでしょうか?
「あの、俺さっきたまたま聞いたんですけどあいつら俺達を騙しているみたいなんです。奴隷契約を結ばして俺達を魔物と戦わせるみたいなんです」
「やはりそうですか。奴隷契約等は知りませんでしたが怪しいとは思っていたのです」
「あ、でも、俺達って言っても全員がって訳でもありません。足立と葉桜だけです」
「他の方達は?」
「信じてくれませんでした。あと贅沢できる生活が待ってると言われてまんまと騙されて……」
「そうですか。助ける気は?」
「ないです。ぶっちゃけると対してあいつらと仲がいいわけではないので」と高橋璃音君はズバッといいのけ少しびっくりしました。皆仲がいいと思ってましたよ。
「何で私に声掛けて下さったんですか?」
「初対面ですが、見殺しには出来ないので」
「そうですか。わかりました。いつこの城を出るのですか?」
「今日の夜です。明日には奴隷契約を結ぶみたいなので」
「なるほど」
「また夜に来ます」と言って高橋璃音君は部屋を出ていった。
逃げると言っても簡単にはいきませんよね。この城から逃げれたとしてもお金もないので生きて行けないでしょう。
そして夜に高橋璃音君達は来た。
「行きましょう」と言って城から出た。本当に簡単に城からは出れた。騎士さん達はやる気がなく隠れながら進むには簡単だった。城を護る騎士がそれでいいのでしょうか?駄目な気がするのですが……。
「これからどうしよう……」と葉桜結さんは不安そうです。それも当たり前ですよね、こんな知らない世界で不安にならない人なんていませんもんね。
「まずは服を変えましょう。服を売っている店でこの服を買い取って貰いそのお金で新しい服を買いましょう」
「え?なんで?別にこの服でも良くない?」
「足立夏奈君周りを見てみて下さい。私達は夜とはいえこの服装はとても目立ちます。逃げて来たのにこれでは意味がありません」
「あ、なるほど!桜ちゃん頭いいね〜」
「おい!ナナ!木花さんに失礼だろ!」
「そうだよ!ナナ君!」
「えー」と3人で仲良く話しているのを見ると高校生だなって感じがしますね。
「では、服が売り買い出来るお店を探しましょうか」
私達は洋服屋を探した。10分後洋服屋さんは見つかってお店の中に入った。
お店では私が交渉をして日本での服を高く買い取って貰った。交渉をしている際にお金の使い方等も、簡単にだが覚えられました。
白金貨が日本円で10万円、金貨が日本円で1万円、銀貨が日本円で千円、銅貨が日本円で百円、花貨が日本円で10円です。
安めの宿も教えてもらいそこで朝を迎えることに決まりました。
気まぐれ更新です