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ヒトとキツネの異世界黙示録  作者: 遊戯九尾
第十一章 String of Spider!
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ヒートアップ

 公園内で裏路地のコロシアムの荒くれ者達と乱闘になり、四課のメンバー達は散りながらも戦う。


「バラウール! APFSDS白銀弾、これで!」


 エイルがバラウール重戦車砲の白銀弾をヤークトベアーに撃ち込むが、容易く弾かれる。


「だめです! 肉体の強度が増していて白銀弾を差し込むことができません…!」

「だったら、『劫火!』」


 神癒奈もエイルに合わせあらゆる物を焼く焔を放つ。だが、それすらもヤークトベアーの皮膚を焼く事ができない。


「相手はあらゆる攻撃に対抗できる肉体なのですよ! 神癒奈さんが力を解放して攻撃しないと効果はありません!」

「く……能力を使います!」


 神癒奈が能力を解放し、刀に全てを断つ停止の力が宿る。


「たぁあああっ!」


 そのまま神癒奈は飛び上がってヤークトベアーを縦に切り裂いた。


「ぐぁあああああ⁉︎ よくも…やってくれたなァアアア!」


 切り裂かれたヤークトベアーが切り裂かれたところから筋肉が溢れ出し、肉の塊へと変化する。


「あれは…!」

「なり損ない! 神癒奈! チェンジだ! ここからは俺がやる!」


 なり損ないになった以上は神癒奈で手に負える相手ではない、そう思った永戸が神癒奈と交代をする。


「任せましたよ!」

「そっちこそ、集団にのされるなよ!」


 入れ替わる時に息を合わせてタッチをして2人はそれぞれの場所につく。


「マスター!奴の体内に施術された筋繊維爆発ステロイドが暴走してます! 耐刃性は低下してますが反面筋力が大幅に向上しています! 一撃に注意を!」

「わかった! 行くぞ! エイル!」

「はい…!」


 フィアネリスのアドバイスを受け、永戸はエイルと共にヤークトベアーのなり損ないと戦闘を開始した。


「死ねぇっ! クソガキが!」

「誰がクソガキっすか!」


 荒くれ者の攻撃をステップで回避しつつ、桐枝は光を宿した警棒で1人ずつ叩く。暇があれば片手でブレイズエッジを撃ち、荒くれ者を一人一人確実に倒していく。


「アタシだって、戦えるのよ!」

「あまり無理に前に出るな! 君の体は幼いのだから」

「うっさい! ちっちゃい言うな!」


 ライがシールドバッシュやカウンターで敵を弾き返し、リオーネは両腕を竜の爪に変化させ、攻撃を続ける。リオーネの戦闘能力は本物らしく、その爪の威力は並の鎧なら簡単に引き裂けるほどの鋭さを持っていた。


「だーっ! 数が多いっす!」

「私に任せてください!」


 永戸のところから飛んできた神癒奈が、アクロバットな軌道を見せながら敵を薙ぎ倒していく。時には焔を、時には刀の斬撃を、あらゆる箇所に向けて攻撃し、1人で大量の敵を相手取った。


「すげー…もうあいつ1人でって……そんなこと言ってる場合じゃ、ないっすよね⁉︎」


 桐枝は一瞬楽できるかと思ったが敵はまだまだ大勢いる、それらに対して警棒を振り続ける。


「ブレスいくわ! 離れてなさい!」

「同じく! 焔攻撃を行います!」

「焼き尽くせ!」

『劫火!』


 神癒奈とリオーネが2人合わせて焔を出し、一気に敵を倒す。


「アンタ、なかなかやるじゃない、神の狐を名乗るだけはあるわね」

「そう言うリオーネさんこそ、竜の女王らしい攻撃ですね」


 2人で背中合わせで刀と爪に焔を宿すと、2人は飛び出して行った。


「さぁ、ゼロに還れ…!」


 紅い稲妻が永戸の手に走り、ヤークトベアーに手を当てるとそのまま押し込んだ。すると、なり損ないと化したヤークトベアーの体の力が抜け……。


「…効いてない⁉︎」

「ぶっ殺してヤルぅうううっ!」

「畜生!」


 永戸はすぐさまバックステップで下がり、どう言うことか考える。その時、フィアネリスがある仮説を立てた。


「もしかすると、能力に効果はあっても施術による改造には効果は出ない⁉︎ 改造は後付けの強化ではあっても能力ではない、だから零の力を行使しても効果が適用されるのは相手の能力だけ…⁉︎」

「俺いらない子になるじゃん! 交代して損した! かっこよく叫ぶんじゃなかった!」


 永戸の能力の停止効果適用範囲はあくまで個人が保有する能力だけ、改造には効かないと分かり、永戸はどう次の手を打てばいいかわからなくなった。

 おまけに彼は今、背中にアーティファクトを入れたケースを持っている。彼が落とされれば敵に再びこれが渡ってしまう、それだけは阻止せねばと永戸はヤークトベアーを相手にしながら考え続ける。


『流石のイストリアもこの人数相手では不利か⁉︎ 勝負はコロシアム側に傾いているぞ!』


 コロシアムの司会が声を上げた時だった、遠くからミサイルが飛んできて司会の乗るヘリが撃墜された。


『おわぁああああっ⁉︎』

『いやぁ、そんなところにいたら火に当たるよ』


 飛んできたのはイストリアの保有するヘリ…横から見える部隊章から確認するに四課のヘリだった


『皆無事か⁉︎』

「課長! アーティファクトは確保してます! 民間人の方は⁉︎」

『三課がこの地区を封鎖してくれている! 住んでいる人達もみんな逃げた! アーティファクトをこちらに投げてくれ! コリー君が回収する。思う存分戦え!』

「分かりました!」


 永戸はアーティファクトの入ったケースをヘリのある方の空中に投げた。

 それに向かって荒くれ者たちが群がる。


「邪魔はさせない!」


 エイルが両手のマシンガンと前肢のチェーンガンでアーティファクトを取ろうとする人達を撃ち落とした。同時に、ヘリの中でスタンバっていたコリーがアーティファクトを回収する。


「課長! 目標を回収しました!」

「よし、このヘリを自動操縦で本部に送る! 我々も降りて戦うぞ!」

「はい!」


 ヘリの操作を自動操縦にすると、ユリウスと装甲戦闘装備を着たコリーが降りてきた。


「コリー君、我々も集団と戦うぞ、ネームドとの勝負は永戸君達に任せるんだ」

「はい!」


 コリーがパワードスーツに取り付けられたマシンガンやロケットランチャーをドカドカと撃ちまくり、ユリウスは一人一人正確に聖剣で突き刺しては倒していく。


「しかし、当初の計画はどうしたのかな⁉︎ コロシアムで優勝すると言うプランだった気がするが⁉︎」

「相手が強行手段を取ってきたんですよ! 詳しい事は後で話すんで!」


 神癒奈も余裕がないのか集団に向けて広範囲攻撃を続ける。


「ダメだ! キリがないぞ!」

「裏路地のマフィア総勢を相手にしてるようなものだからね! 逃してはくれないだろう!」


 ユリウス自身もこの人数は大戦以来だと冷や汗をかきながら戦っている。神癒奈達は少しずつ押されていた。


「止まれっ!」

「今だっ!」


 エイルが糸を使い、ヤークトベアーの動きを止め、永戸がパイルブレードを突き刺す。だがこちらも効果がないのか、敵を傷つけるだけだった。


「くそっ! なにか…奴を殺す力はないのか⁉︎ …っ! エイル! よけろ!」


 ヤークトベアーの大きな一撃がエイルに襲いかかる。だが、重い装備を着たエイルはそれを避けきれず、まともに攻撃を喰らってしまった。


「あぁああああっ!」


 巨大な一撃を受け、エイルはビルの壁に叩きつけられる。装甲戦闘装備が砕け、彼女はぐらりと他に突っ伏してしまう。


「エイル!」

「エイルさん!」


 血だらけになったエイルを永戸が抱き抱える。その間にフィアネリスがヤークトベアーと戦闘を継続した。


「先…輩…」

「しっかりしろ! アンプルをすぐ打つ!」

「痛い……です。痛いのは……やだなぁ」


 意識が混濁してるのか、彼女の体に力が入らない。死なせるわけにはいかないと永戸はアンプルをすぐに打つが、その隙は逃さないとヤークトベアーが2人の前に立ち、剣を振り上げた。


「マスター! エイルさん!」


 2人に剣が振り下ろされそうになったその時だった、ヤークトベアーの頭部と腕部にそれぞれ銃弾が命中し、爆発して弾け飛ぶ。


「ァアアッ! なんだァ…」

「今の攻撃は…」


 永戸は攻撃が飛んできた先を見る、するとそこには、ヘッドセットをつけた少女が銃を構えていた。


「やっほー、おにぃちゃん、お手伝いに来たよ!」


 永戸のことを兄と呼ぶ少女が、そこにいた。

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