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最後まで、Yes。  作者: 上之下 皐月
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第一章 四月その3

カーリング場に到着すると、僕らは二組に分けられた。

即ち、経験者と未経験者。

軽井沢にある高校のカーリング部だから、さぞかしメンバーも多いだろうと思っていた。

しかし一年生は男女合わせても十人にも満たない。

これは後から聞いたことだが、この高校のカーリング部は同好会からスタートし、ようやく部活として正式に認められたそうだ。

思った以上に部員は少ないようだった。

一年生男子の未経験者は二名。僕と長峰友利だけだった。

「それじゃあ、未経験者にはハナちゃんと、アキラ君よろしくね」

部長がおそらく二年生に向かって声をかける。

そして二人の男女が僕らの前に現れる。

一人は短髪のいかにも爽やかな男子。

もう一人の女子は…。

控えめにいってかなり奇抜な格好に見えた。

僕らの高校は私服登校が認められている。だからよほどの格好でも大丈夫なのだが。

そのハナと呼ばれた女子と言えば。

まずは頭に深々と黒いキャスケットを被っている。

目は伏し目がちで、鼻の頭に大きめの眼鏡がかろうじて引っ掛かっている。

そしてその上から耳当て…ではなく大きなヘッドフォン。

首からはタブレットPCをぶら下げ、腰の辺りでベルトに固定し、野球場で見かける売り子のように、支えている。

指は当然のようにタブレットPCの上をタップしていた。

僕は軽い目眩を感じながらその女子を見つめた。

土屋旭(つちやあきら)よろしくぅ!」

短髪の先輩が予想通り爽やかに元気よく僕らに挨拶をする。

一方。

「…ナ」

「??」

ハナと呼ばれた先輩がゴニョゴニョと口ごもる。

どうやら名乗ったようだが僕らには聞き取れず全員の頭の上にハテナマークな浮かぶ。

「ハ~ナちゃん、最初だよ?しっかり自己紹介してね」

部長に促されようやくなんとか聞こえる声で彼女が名乗る。

野山乃花(のやま のはな)

僕は今度こそ本当に目眩を感じて目を閉じた。

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