天使1
ワシ、大国アルズシナハの国王。
息子のオースティンが勇者として旅立ち、道中で仲間も見つけて、パーティーを結成。
瞬く間に魔王軍幹部を撃滅し、ついには魔王城までたどり着いた。
そして対決の結果、見事魔王を下し勝利をつかんだとの報告が届いたのが先日で、今日はオースティンが帰還する日であった。
そして息子は無事な姿を見せてくれたのじゃが……。
「……おい、息子よ。その、真っ黒な輪っかを頭上に浮かべ、白い羽を背に生やした女子は、いったいなんじゃ」
「え、俺の天使様だけど?」
「じゃから、なんで神の御使いが、ここに下りてきておるんじゃと聞いておるんじゃ! しかも輪っかが黒く染まっているということは、堕天するかしかけておらぬか!?」
「うん、マリアはもう天界には帰れないよ。俺が手を出しちゃったから、もう乙女じゃないからね!」
神様の部下から堕天使妻にジョブチェンジした少女は、ぽっと頬を赤らめてうつむいた。
「なんじゃと!? 神の御使いに何をしてくれたんじゃ、この不敬者が!? 天罰が下ったらどうするんじゃ!!」
「大丈夫、魔王を倒した功績で、帳消しにしてもらったから! それじゃ俺、これから子作りに励むから、他の勇者パーティーメンバーへの補償、もとい褒章はよろしく!」
「またんか、この天上天下唯我独尊 王太子殿下野郎ががぁあぁあぁぁっ!!」
「……という事が、昔あったんだよ」
「そうだったのですか、父上。それで、今その話をされた理由はなんでしょうか?」
「連合国からも褒章が与えられたとはいえ、やや不足という事でね。メンバーの子女の元に、俺とマリアの子供を嫁がせる約束になっているんだよ」
満面の笑みでそう告げる父王に、第一王女から第十八王女の十八姉妹は、誰が選ばれるのかと鼓動を速めていくのだった。
多分、双子とか三つ子とか、多かったんです。




