7.老人「寿命10年払えば願いが叶う」
あるところに会社の帰り道を歩いている男がいた
男「平日は会社と家の往復の日々。休日は寝てるだけ、本当つまんない人生だな」
老人「おい、そこの男の人」
男「ん、なんですか」
老人「人生退屈しているようだね」
男「誰おじさん、何か用」
老人「なーに、いいものをあげようと思ってね」
老人は男にボタンを見せた
男「なんです、そのボタン」
老人「このボタンは君の寿命10年と引き換えに願いを一つ叶えることができるんだ」
男「そんなわけないでしょう」
老人「信じないならそれでいい。ボタンはここに置いていくが、興味がないなら拾わなければいい」
老人はボタンを置いてどこかへ行ってしまった
男「なんだよ、あのオッサン。今の時代の老人は変だし、末期だな」
男「しかし、もしかしたら…」
~自宅~
男「俺もバカだな、あんなボタンを拾うなんて。どうせ本物なわけないのに」
男「しかし、せっかく手に入れたんだから何か願い事でもしてみるか」
男「そうだな、今すぐ1億円出してくれ」
ボタン「ポチ」
男はボタンを押した。その直後目の前に1億円の札束が出てきた
男「え、マジ。このボタン本物なのか」
男「ていうことは俺は10年分の寿命が減ったのか」
男「ああ、なんてバカな使い方をしたんだ。1兆円と願えば1兆円出たってことじゃないか。これをほんの1億で」
男「俺は10年の命と引き換えに1億と交換してしまったんだ」
男「どうする。また、ボタンを押すか。いや、次押したら寿命が尽きて死ぬかもしれない。どうすればいいんだ」
男「…待てよ。死んでも蘇るように願えばいいんじゃないか」
男「イチかバチか。死んでも蘇らせてください」
ボタン「ポチ」
男はボタンを押した
男「よし、これで俺はもう大丈夫だ。そうと分かればどんどん願い事をするぞ」
男「とりあえず、テレビ出せ」
ボタン「ポチ」
テレビが出た
男「テーブルに料理と酒を出せ」
ボタン「ポチ」
料理と酒が出た
男「くつろげるソファーがねーな。ソファー出せ」
ボタン「ポチ」
ソファーが出た
男「ハハハ、最高…」バタ(男が倒れた音)
男「あれ、さっき突然視界が真っ暗になったな。どうしたんだ」
男「まさか、俺さっき死んだのか。でも、こうして蘇ったってことは願いが叶ったんだ」
男「よっしゃー、これでどんどん願いを叶えることができ…」バタ
男「…なんだ、また視界が突然真っ暗にどうなって」バタ
男「…なんだなんだこれっていったい」バタ
男「…まさか、蘇るけど残りの寿命が無いからまた、すぐ死ぬってことか」バタ
男「…いやだ、死んでは蘇るの繰り返しなんて。どうすれば」バタ
男「…そうだ。あのボタンを使って」
男「死んでも蘇るの願いを取り消してください」
ボタン「ポチ」
男はボタンを押した
男「これで大丈」バタ
男「…え、なんで願いが叶っていない」バタ
男「待てよ、俺の寿命ってもうないよな。ひょっとしてもう願いは叶えられないのか」バタ
男「いやだ、ずっとこのままなんて誰か助」バタ
こうして男は死んでは蘇りを永遠に繰り返した
(終わり)