学級委員長への道-3
学級委員長の決め方は金曜日の朝に投票して決める事となり、アピールする日は木曜日しかない。秀太郎・不知火・桜井の3人はどうアピールするのか?そして誰が学級委員長になるのか?
木曜日-朝
8時30分頃、急いで学校の門を走り抜ける秀太郎
「しまったぁ!色々考えていたら寝過ごしてしまったぁ!」
実は前日の夜、自分の部屋で机に座り何時間も考えた結果……
気が付いたら朝まで寝ていた…
学校の朝のHRの時間は8時40分から始まる
急いで教室へ到着すると
「なんとかセーフか…」
息を切らしながら走った結果、35分でギリギリセーフだった
教室を見渡すと後ろの方に男女入り乱れた人混みが出来ている
覗くと不知火がクラスメイト一人一人に消しゴムとシャーペンを配っていた
「これは僕からのここからのプレゼントだ!僕の父さんは文房具屋の上の方なんだよ!最高の仲間達に最高の思い出を!」
「(上の方って結構曖昧だな…)」
人混みから明が出て来た。
「おっす!秀太郎おはよう!」
「おっ、おはよう。それは?」
明の手には綺麗なシャーペンと消しゴムを握っていた
「不知火がくれたんだよ!これを!このシャーペン1個1000円くらいするって言ってたぜ!」
「(クソ!賄賂まがいな事をしやがって!)」
悔しがる秀太郎、だが黒板の前にある教卓の所で桜井が男女の生徒一人一人に話しかけている。
「貴方は…佐藤くんだね!よろしく」
「は…はい!」
眩いばかりの笑顔は男子生徒達を虜にしている
次に桜井は1人で椅子に座って本を読んでる女子生徒に話しかけてる
「あっ!貴方は木村さん!昨日の自己紹介でピアノが得意って言ってたわよね?」
「うん…そうだけど…」
「私も興味があるのよ!近々教えてはくれない?」
「えっ?私なんかでいいの?」
「勿論!」
「あ、ありがとう」
1人で本を読んでた女子生徒に笑顔が出て来た
これは彼女の素質なのだろうか?それとも本心なのだろうか?
その光景をみて秀太郎は窮地に立たされる
桜井は笑顔で票を集め、不知火は物で票を集めている
秀太郎は何にも用意してない
「(予想以上だ…ここまで本気でやるなんて、侮ってた…学級委員長の道…)」
不知火が秀太郎の存在に気づく
「あれ〜秀太郎君?君は何か用意とかしてないの〜?僕はこの高級シャーペンを皆んなを配ってるんだ!そこの君にもあげよう!」
挑発して来る不知火は、窓際にいる窓の外を眺めている足を組んで上着のボタンを全部取っているちょい長髪の生徒にシャーペンを渡そうとする
「うるせぇだよ」
小さい声だったが不知火は震え上がり窓際を避けた
すると明が小声で話しかけて来た
「あいつ俺と同じ晋中なんだけど、あんまいい噂を聞かないんだ。変な奴とも付き合っているらしいし…」
「変な奴…ね」
「ってお前も何かアピールしろよ!このままじゃ惨敗するかもしれねぇんだぞ!」
「…」
予想以上の張り切っている2人に秀太郎は戸惑っている。
彼らには自分とは違う何かがあるのか?不知火は富、桜井は笑顔、けど自分は何か策があるのだろうか…
そう深く考えている内に先生が教室にちょっと遅れて来て、HRが始まり1日が始まる
今日はまだ授業はなく、学校の案内や部活紹介などの学校の内部の紹介で午前中で終了だ。
「一人で考えていても何も浮かばないぜ。今は部活紹介だ。体育館へ行こうぜ秀太郎」
明に背中を押されるままに体育館へと向かった
その間も桜井は他のクラスメイト達の先頭に立ち体育館へ先導する
まるで学級委員長のように
部活紹介は野球部やサッカー部などの運動部や美術部や吹奏楽部などの文芸部など多くの部活紹介がされている
しかし秀太郎の頭の中は、学級委員長の事で頭がいっぱいだ
学校案内も同じく、全く集中出来なかった
3階のパソコン室や1階の保健室などの説明の時ですら話が頭の中に入らず下を向いて考えていた
そして気づいたら学校案内も終わり今日の学校が終わって教室は誰1人いなくなった
教室に1人座り込む秀太郎
「(生半可な気持ちで学級委員長や生徒会長になるなんて言うんじゃなかった…昔のような成り行きでなるなんて無理なんだ…そもそもそんな考えではみんなを纏める事は出来ない)」
落胆する秀太郎、すると教室の外から
「早く帰ろうぜ!秀太郎!」
明が秀太郎を呼びに来たのだ
「やっぱり俺は学級委員長は諦める…」
「いきなり言うなよ……なんで、諦めるんだ?」
「桜井や不知火のような事前に準備万端な奴がいる中、俺は何も浮かばない…」
「俺にいい作戦があるんだが…やってみないか?」
「作戦?」
疑問に思うが言われるままに学校の広報場へと連れてかれた
そこには学校行事の連絡や注意事項など色々書いてある
「これだよこれ」
指を指す場所には
「えっ〜と最近夜になると高校に怪しい不審者が侵入し、女子生徒の私物や下着が盗まれる事件が多発。怪しい人物を学校内で目撃した場合、直ちに先生に報告して下さい……下着泥棒⁉︎」
張り紙には下着泥棒の事が書いてある。デカデカと書いてある為、結構な被害にあっていると思われる
「この下着泥棒を捕獲するんだよ!そうすれば次の日から秀太郎は有名人さ!」
「どう捕まえるんだ?」
「学校に残るのさ、夜まで」
「それ大丈夫なのか?見つかった大変な事になるぞ!」
「捕まえればそんなの帳消しさ!」
「でももし現れなかったら…」
「そん時は学級委員長は諦めろ」
「……」
張り紙の前で会話してると、後ろから赤いジャージの先生が接近して来た
「おい、お前達。何を見ているんだ」
「は、はい?」
2人が同時に振り向くと、秀太郎が昨日みた見た目が濃い体育教師だった
とりあえず明は先生に話しかけた
「い、いやこんな物騒な事件があるんだな〜って思って」
明らかに動揺しているのが丸分かる喋り方だ
でも全く先生は気にしてない様子だ
「ワシもこの事件には困ってるもんで最近は夜学校の見回りをしておるんじゃ…お前達は男子生徒だから大丈夫だと思うが、変に学校に私物などを置いて帰るなよ」
そう言って立ち去って行った
「これしか作戦がない。やるか秀太郎…」
「(もうとやかく言ってる場合じゃない…何としても票が欲しい…これしかない!)」
明の手を強く握り
「この作戦!乗った!」
結託した秀太郎と明、とりあえず一時帰る事にした
その帰りに疑問に思ったことを明に聞く
「何でそこまで手伝ってくれるんだ?」
「入学式の恩を返したくてな。あんなに丁寧に場所を教えてくれたんだからな」
入学式前にトイレの場所へと連れてった事だ
「当たり前だろ。場所を間違ったりしたら大変だからな」
「そんな事されたらこっちもそれ往々の恩返しをしないとなって」
そう話していると3年生と思わしき生徒2人が小柄な生徒を廊下の端に追い詰め話している
「お前がこの高校に来るなんてな!光栄だぜ。今日からまたよろしくな」
「……」
「びびってないで何か言えや!」
この光景を見た秀太郎達は
「あれは3年生…今は授業中のはずだなのに」
「サボってるんだろ。最近は先生も下手に手を出せない時代だからな……って秀太郎⁉︎」
秀太郎は小柄な生徒の前に立ち、庇い始めた
「何だお前は!」
「俺は1年4組!皇秀太郎だ!」
「1年4組ってこいつと同じクラスって訳か」
「そうゆうことか…ふっ、工藤…後でな…」
不敵な笑みを浮かべ3年生の2人は何処かへ立ち去った
明はすぐさま秀太郎の元へ駆け寄った
「バカか!堂々とクラスと名前を言う奴がどこにいるんだよ!」
「正々堂々と名乗ったまでだ!」
「あっ…秀太郎君ありがとう…」
小柄な生徒が口を開けた
「こんな僕を助けてくれて本当にありがとう…」
そう言って走って帰って行った
「あいつ…工藤だっけ?俺達と同じクラスに居た奴だ」
昨日も今日も1人で椅子に座って居た1人である
「あまり関わらない方が良さそうだな…帰ろうぜ秀太郎…」
「あぁ…」




