学級委員長への道-2
生徒会長になると決めたのは良いが、クラス全体を動かせない者は生徒会長にはなれないとまずは学級委員長を立候補する。すると他にも2人も学級委員長への立候補者がいた…
とりあえず今はその2人と話をする事にした…
第3話 本編
入学式の為、学校は午前中で終わり1-4のクラスは3人の学級委員長候補者以外の生徒は帰った。
電気が消えた暗い教室は、窓から太陽の光が入って来て明るい教室になった
不知火と桜井はお互いに落ち着いた様子で沈黙が続く
そんな2人に向けて、秀太郎は口を開く
「とりあえず、もう一度自己紹介をし合おう。俺は皇秀太郎」
「私は桜井悟美」
「僕は不知火諒」
淡々と自己紹介したが再び沈黙に戻った
「(自己紹介したのはいいけど…どうすれば良いんだ…)」
すると不知火が口を開く
「まぁ学級委員長の決め方としては選挙が妥当かな。クラスの奴らに金曜日の朝に投票してもらい票が一番多かった奴が学級委員長ってのどうかな?」
と人を小馬鹿にするような喋り方をする不知火
そして桜井も口を開く
「今日は水曜日、明日にみんなにアピールして票を集めるって事ね」
自分のアピールは明日しかない。しかも出会って間もないクラスメイトにアピールとはとても難しい事だ。名前すら覚えてるかも分からない為、かなりの難易度だ
「分かった。金曜日の朝にクラスのみんなに投票してもらうで良いんだな」
「なら私は投票箱と投票の紙を作ってくるわ」
桜井と会話してると不知火が鞄を持ち、出て行こうとするので慌てて止める
「おい!どこへ行くんだ!」
「何処って?あ〜明日の準備さ。みんなの清き一票を貰う為にね。じゃまた明日」
とドアを開きっぱなしで帰って行った
「あいつ(不知火)は昔からあんな感じなのよ」
「昔から?」
少し疑問に思ったが、不知火と桜井は同じ中学だったのを思い出した。
「あいつがどんな手を使って学級委員長の座を奪ってくるかは分からないから気をつける事ね」
何か分かりきったかの様に語る。不知火は一体どんな男なのだろうか
そして彼らはなぜ学級委員長を目指しているのか
「でも私達もライバル同士よ。お互い頑張りましょう」
その笑顔はとても美しかった
桜井はドアをきちんと閉めて帰って行った
秀太郎も帰ることにした
その帰り、廊下からグランドを見ると他の学年の生徒達は体育の授業をしている。
教師は漫画やアニメなどのようなジャージを着ている、しかも赤色。
そして濃い顔面、濃い体毛、濃い身体と定番中の定番の格好をしている。
ドスの効いた声に生徒達は恐怖している。
今の時代もいるんだな〜と思って再び廊下に振り向くと
「わっ!」
「うわっ!!」
いきなり明が真後ろで驚かして来た
「びっくりした〜」
「秀太郎を待ってたんだぜ。帰ろうぜ」
出会って間もないのに、待っててくれてちょっと嬉しかった
そして帰りに明は学級委員長の事について話し始めた
「学級委員長候補が3人で、1人は女子でもう1人は男子とはきたか…」
「一体それが何なんだよ…」
手を顎の下に置き考える明
そしてそれを不安に思う秀太郎
「普通に考えれば勝つのは女子の子かな」
きっぱりとした答えに驚くがすかさず聞き返す
「何でなんだ?」
「聞くがもし俺が立候補して他の2名の立候補者が女子でいきなりさぁ誰かに投票しろって言われたらどうする?」
「う…それは…」
「俺の方がしやすいだろ?」
「確かに…」
「同性の方が投票はしやすい。だが今は男子は2人もいる。しかもイケメン。女子は可愛い」
まるで自分がイケメンじゃないと言われてる気がしてムッとする
「まぁそうムッとするなって、でもそいつらは男子票も女子票をゲット出来る」
「でも何で桜井の方が勝てると思うだ?」
「イケメンと可愛い子ちゃんとなると多少話が変わるが、これは俺の予測だと男子は可愛い子が学級委員長だと喜ぶ。女子はあの子と仲良くなりたいと思い投票する。そして男女の人数は男子の方が多い」
男子は21人・女子17人と明の予想では桜井の票は男女共に票が多いと予測している
「まっ…後は人柄かな。俺はいくら可愛い子でもイケメンでも人間と出来てなければ投票する気はないさ」
「つまり…」
「だからと言って俺はお前に入れるとは限らないぜ。明日お前の人柄を見せて貰うよ」
「あぁ…」
気がつくと学校の外へと出ていた
「あっ俺はこっちだから、秀太郎また明日な」
「おう、また明日」
何歩か歩いた後、明は振り返り
「もし困った事があったら言ってくれよ!」
と大声で言って、秀太郎の家とは逆の方向へと走って帰って行った。
そんな明を見て思った秀太郎は思った
変わった奴だが根は多分いい奴なんだろうと
そして帰り道1人下を向き歩く秀太郎。
「(中学の時は、友達に押されて生徒会長に立候補したらたまたま受かったけど、今回は学級委員長…少ないとはいえ1日で多くのクラスメイトの信頼を得る…か)」
ただの学級委員長とはいえ秀太郎には生徒会長へ近づく1歩となる。
「俺なりに頑張ってみるか!」
重い足取りが少し軽くなり走って帰って行った。
そして秀太郎に何か秘策でもあるのか?




