初め
ふかーい、ふかーい、井戸の底
くらーい、くらーい、闇のなか
何にも見えないこの場所に、いるのはホントに貴方だけ?
夏休みも中盤の8月13日、僕は祖母の家に里帰りをしていた。
友達もいないしゲームもないこの場所は、小学校6年生の僕にとってはひどく退屈で日々意味もなく祖母の家の周りを探検していた。
祖母は何度も危ないから裏の山には入っては行けないよと僕に注意を促しながら
探検に行く僕を心配そうに見送った。
僕は祖母の心配を無駄にしないよう、裏の山には入らないように気を付けながら
広がる田んぼに生きる虫とかを眺めて過ごした。
「、、、暇だなぁ」
しかし、3日もすればそれにも飽き初め段々と僕は遠くの方まで足を伸ばしすようになっていった。
それでも、裏の山には入らずに遠くから眺めるだけであった
ある日、祖母がこういった
「今日は、お祭りがあるから一緒に行こうか?」
「ほ、本当?!やったぁーー」
「ただ、お祭りは裏の山で行うから絶対に離れないように気を付けるんだよ?」
「うん!」
正直田舎に飽き飽きしていた頃であったため、跳び跳ねるように喜び
お祭りが始まるのを今か今かと待ちわびた。