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切実に 帰りたいです

ブックマーク、たくさんで、本当にうれしいです。やる気、もらってます。

 目に見えないものって、怖い。真夜中に突然ばばば~んとでてくる不審者しかり、幽霊しかり……ペタペタと近づいてくる足音とかね。気持ち的には、リアル脱出ゲームみたいな感じなんですよ。

 さっきから部屋に近づいてくる足音が、だんだん近づいて来ている。それも、結構速めのペースで、足音が近づいてくる。

 さっき、開けた窓は一応外につながるけど、ここ二階だし、アクションスターみたいにここから飛び降りるマネはできない。逃げ場が、ないんだよね。ここは、誘拐犯(仮)の顔色を伺いながら大人しくしていよう。


『入っていいかい?』


 控えめなノック音ともに、低い男の人の声が聞こえた。どうしよう部屋の外でなんか言っているけど、何て言っているかわかんないよ。

 とりあえず、この部屋のベッドで寝かされていたから、寝たふりをしよう! そうすれば、何の問題もないはず。どうせ、逃げられないし。そう思って、ベッドにもう一回入ろうと思ったのだけど、どうやって上ろうか。このベッドから降りるの大変だったってことは、登ることも……あぁ、どうしよう。


『入らせてもらうね』


 もう一度、声がして真鍮のドアノブが、ゆっくりと回った。

 ぎょっとした見開いた目と驚愕に彩られた目が、なぜかばちっと交差した。なんで、今? もう少し待ってくれてもいいじゃない? すごく変な格好しているのに。ベッドによじ登ろうとした不自然極まりない格好を目撃されるなんて、最悪だ。


『! ど、どうしたんだい。あ、危ないじゃないか。降りたいのかい? わぁ、危なっかしいな。ほら、手伝うからじっとしてて』


 身長が、一八〇センチは軽く超えていそうな男が、なんか慌てて近づいて来るんだけど、一体何なの。血相変えて、とびついて来るって若干ホラーなんだけど。うぇ~ん、何か言っているみたいだけど、わけわかんないよ。何語、何語しゃべっているの! 絶対、日本語じゃない。それだけは、断言できる気がする。そもそも、竜が存在している時点で地球の言葉が意味をなさないか。


「とりあえず、止まって。こっち、来ないで。これ以上近づかないで」


 全然通じた感じはしないけど、とりあえず、突進攻撃は回避できたみたい。でも、早口で話している言葉はわかんないけど、大学の語学の授業に、異世界言語を教えてくれる科目はなかったんだから、手の打ちようがない。



『! え、何? なんて言っていったんだい? もう一回聴けば、何処の国の言葉かわかるかもしれないから、繰り返してくれるかな。僕、商人だからこの大陸の言葉以外にもいくつか話せるから』


 じりじりとこっちに近づいてこないで欲しい。五〇センチくらいは余裕でありそうな身長差は、正直言ってかなりプレッシャーを与えてくる。どこだかわからない場所で、よくわかんない男の人に大声で詰め寄られるとか、もう泣いていいかな? 泣いてもどうしようもないけど、すごく怖いんだって。


「あぁ、かえりたいよぉ……帰り方知らないけど」


 こんなに、家に帰りたいって思ったなんて初めてかも。苛立ちを含んだ大きな足音が、下の階からだんだん近づく。


『え、ちょっと待って。泣かないで。別にせめてないから。僕は君に害を与える側の人間じゃないよ』


この際、鬼でも何でもいいから、この人をどうにかしてほしい。早口だし、目が泳ぎ始めてるし異様におろおろして落ち着きが急になくなっちゃたんだもん。


『そう、味方だ。あ、名前も名乗っていない人に見方っていわれても困るよね。僕の名前は、エドワード・オルフェスっていうんだ。聴いたことないかな、オルフェス商会って……ん?』


 足音の主は、部屋の前で一度立ち止まり、中の確認もせずに部屋の壁をいきなり蹴り飛ばした。その勢いで、ぶわって風圧が襲う。威圧感みたいなものが半端じゃなくて、耳元で、ばくばくとした音が警鐘のように鳴り渡った。 



よんでくれて、ほんとうに、ありがようございます。がんばります。

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