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閃光転移のグレイルガスト  作者: 山田二郎
1章 
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9

 機械は人によって支配されるべきだともっともらしい発表を出したが、AIが信用できないというのが地球側政府の本音である。地球に下りた時点で、チェスのネットワークに万が一にでも支配されればそれは敗北ということになる。ならば搭乗型にし、チェスの影響をできる限り受けないようにすればいいという地球側の政府の安易な考えだった。

だがたとえ全長六メートルのロボットを人の手によって操作し機動させるうえであっても機体を動かすうえでやはりAIは必須であった。これを聞いた地球側の政府は、AI無しで作れと技術者に無理難題を押し付けてきた。地球側の政府と月の技術者の話し合いは続き、月の技術者の丁寧な説明によってやっと地球側の政府は納得した。これがAI所持禁止令の名が思考AI所持禁止令に変わるきっかけの一つになった。

 AIにも二種類あり、機械の一部として扱われるタイプこれをAI、人とのコミュニケーションを主とするタイプを思考型AIという。地球側の政府と月側の政府の話し合いにより、人とのコミュニケーションを主とするAIの所持を禁止にしたのである。

 そういった問題がありつつも、それ以降は思ったよりも順調に事が進み、二足歩行搭乗型兵器は完成したのである。名称は二足歩行搭乗型第1世代型カングリアと名づけられた。

 だがまた問題が起こった。この兵器に乗る者は、どこから選抜するのか。月の実権を握った地球側の政府の答えは一つしかなかった。月側の人間をパイロットにする。月側の政府も反発したが、地球側の圧力と圧倒的に地球側の人間が少ないことまた宇宙での適応力を理由に地球側は押し切ったのだ。結局こんな状況になってもチェスに何もかも任せてきた地球側政府の性根は変わらなかった。地球側政府の犠牲になるのは月側の軍人もしくは民間人だった。二足歩行搭乗型へ搭乗するパイロットは月側の軍人や民間人から選抜された。そのパイロットの中にフユカ=イーゲルンの名前もあった。



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