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お、なんだ、フユカ三ツ星さっそく新米イビリか?」
「ちっ・・・・・・違います」
激しく動揺するフユカ。
「こいつ自分に部下が出来るのが初めてだからかまってやってくれよ」
「は・・・・・・はぁ・・・・・・あっ、遅くなりました。昨日パイロット所属になりました、タチバナ=アキトです」
あまりの見た目とのギャップにアキトは少し呆然としたが慌てて敬礼をした。
「おうおう、眩しいね、とりあえずお前とフユカは俺の部隊に配属予定だから、仲良くしろよ、といってもまだまだ先の話だし俺はしばらく別件でここを離れなきゃならんからしばらく会うこともないと思うがな」
そういうと、登場した最初の威厳などどこ吹く風のように大笑いをしながら教室からライドウは出て行った。
「あ、あの・・・・・・」
「言うな・・・・・・あの人はああいう人なんだ」
アキトとフユカは、しばらくライドウの背中を見つめていた。
「それで謎の機体って・・・・・・」
「ああ、そのことか。三週間前私達の部隊が訓練していた時に謎の二足歩行型機が出現して、その報告だ。では私も行くよ、これからよろしく」
フユカは右手を前に出した。アキトは少し間をとってからフユカと握手をした。フユカはアキトと握手を終えると、教室を後にした。
「謎の機体・・・・・・二足歩行型機・・・・・・」
『考えごとか?』
「ああ・・・・・・まあな」
アキトは教室から見える月の街を眺めた。
「もうそんなに経ったのか・・・・・・」