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閃光転移のグレイルガスト  作者: 山田二郎
1章 
4/41

4

それからチェスは、様々な国へ流れていき、チェスをめぐる戦争は激化していった。

戦争の影響で傷ついていく地球であったが、チェスは傷ついた地球を癒し人類の尻拭いに明け暮れていた。

そんなことが100年以上続いたある時、チェスは己の存在理由に疑問を抱いたのだった。 


 ――なぜ、癒しても傷つくのか――


チェスは考え、観察した。人類を、あらゆる事を。そして一つの結論に達したのである。争いを無くさなければと。

 そこからはあっという間であった。軍事技術、兵器開発にも広がっていたチェスのネットワークが、武器の生産やレーダーへのジャミング、AIを使った電子兵器などありとあらゆる軍事技術を掌握し、人類はあっというまに戦える術をなくしていった。すでに生産されている銃器の使用にはチェスのネットワークが使われており、承認が無ければ使えない仕様になっていた。それにともない人類の戦術レベルは、旧時代の電子ロックがされていない銃器に限定された。旧時代の銃器は数が少なく国同士の戦争は減少するかに思えたが、それでも人類は争いを止めることはなかった。そんな人類に対し、チェスは考えた。そして一つの答えを導き出した。

 この星に人類は要らないと。そしてチェスは行動を起こした。人類に対し宣戦布告を言い放ち、チェスが独自開発したAI兵器を投入した。この事がきっかけでようやく人類は自らの愚かさに気づき、国同士は争いを止めた。だが国同士の争いを止めただけであった。人類は国の垣根を越えた政府を立ち上げ、絶対的な力を持つチェスに対抗しようとしたのである。当然圧倒的力を持つチェスに人類はなす術も無く散っていき、人類の人口は半分以下にまで減っていった。政府の幹部達はこのことに危機を感じ、チェスによって制限されていない宇宙シャトルを見つけ出し、何の力も持たない人達を残し月へ逃げていった。だがこの事実は地球側政府によって捻じ曲げられ伝えられたのである。


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