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閃光転移のグレイルガスト  作者: 山田二郎
1章 
17/41

17 二足歩行搭乗型第二格納庫 シュミレーター室

二足歩行搭乗型第二格納庫


「それで手合わせしてみてどうだった?」


 先ほどの騒ぎが一段落し、新兵達は訓練を再開していた。教官の怒鳴り声が響くなか、フユカはゲートに模擬戦の事を聞いていた。


「あれが、手合わせって言えるのかわかんないけどな」


茶化すようにパールはケラケラと笑っている。そんなパールをみてフユカはため息をついた。


「それで?」


フユカは気を取り直してゲートに聞く。ゲートは眉間に皺を寄せながら唸り腕を組んだ。


「正直・・・・・・」


「「正直・・・・・・?」」


フユカとパールがゲートの次の言葉を待つ。


「わからん」


フユカとパールの肩が落ちる。


「奴の動きは素人とかわらん・・・・・・ように見えるが、だからと言って訓練しているようにも思えん。ただ最後の俺の突きの攻撃をあんな手段で回避したあいつには才能がある」


ゲートの言葉に、フユカとパールの脳裏にはブースターを使ってゲートのブレードによる突きを回避したアキトのカングリアが浮かんだ。


「とにかくあいつは俺の中で注目のルーキー決定だ、お前達はどうだ?」


フユカとパールはゲートの言葉に頷いた。


「なら決まりだな、フユカお前の部下だ。しっかりしごいてやれ」


ゲートはフユカの肩を軽く叩いてニカっと笑った。


「さて俺達も注目のルーキー君に負けないように訓練しますか」


そう言ってパールが気合を入れるように手を叩いた瞬間、倉庫内に警報が鳴り響いた。


「えっ・・・・・・俺なんかした?」


「そんなわけないだろ」


「なんだ?」


騒がしいくなる警報の音に宙を見上げるフユカ達。


「現在月に向かって謎の物体が接近中、星無し以外の三星までのカングリアパイロットはただちに搭乗準備に入ってください」


アナウンスが格納庫内に響くと教官が集合するよう新兵に召集をかけた。


「お前達はまだ非戦闘員と変わらん、従い今からただちに二足歩行搭乗型第一格納庫に向かい、整備兵達の手伝うんだ、わかったか!」


「「はい!」」


教官がそう言うと、新兵達は敬礼をおこない駆け足で第一格納庫へ向かった。




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