嫌悪
女性という生き物がひどく嫌いだ。
何故か、と問われると理由を述べるのに苦労をする。嫌いだという認識は既に凝り固まって理由より先に嫌悪感がやってくるのだ。兎も角かんに障る。
しかし、べつに同性愛者であるわけではない。
幼少期からほ僕は不思議で仕方がなかった。男と女では大きな隔たりがあるではないか。5と9が四捨五入されて10になるように、少し大きなくくりでみたら人間という入れ物に入れられてしまうが、そこには違いがあるではないか。だというのに何故男女間で分かり合えるというのだ。同性どうしですら完全にわかりあえるものではないのに。
男女間での交流に、恋というものがあるらしい。僕にはそれはたまたま異種族とほんの少し気があっただけなのに寄り添い合うなどと勘違いしただけのように思えた。ペットを餌付けする飼い主のようなものだ。ペットだって本当は飼い主ではなく、飼い主が持つエサに懐いているだけの可能性だってあるのだから。言葉が話せるからって心が通じ合うわけではないのは当然だ。
いや、それは僕の独りよがりの意見で、間違っているかもしれない。もしかしたら良き恋人同士であると自分の心のうちを言葉や態度で分かり合えるのかもしれない。僕にはそんなことは一度もなかったけれど。
とまれ、こうやってつらつらと女性に対する文句を並べるくらいには、僕は女性が嫌いなのだ。