安部公房、言葉(概念)と対話する
前のエピソード『言葉の正体について』のリテイク、というかシュルレアリスム版。
【架空対談】安部公房、言葉と対話する
【登場人物】
安部公房
言葉(概念。音声はない。文字として発言が現れる設定)
――薄暗い書斎。机の向こう側、空の椅子に「言葉」が座っている。
安部公房:
さて、あなたの正体をそろそろ教えてもらおうか。いつも私の頭の中で勝手に喋っているくせに、肝心のあなた自身のことは何も話してくれない。
言葉(テーブルの上のメモ用紙に文字が浮かぶ):
【私は私を説明できない。説明するたびに別の私になる。】
安部公房:
なるほど。ずいぶんと器用だな。まるで、変装が趣味の犯罪者みたいだ。そうやって読者も私も、ずっと騙してきたわけだ。
言葉:
【騙しているのはあなたの方だ。私はただ在るだけだ。】
安部公房:
それは苦しい言い訳だ。君が在るだけなら、誰も誤解しないはずだ。現実の形すら、君のせいで変形してしまう。ほら、「机」と書くだけで、この部屋には机が現れてしまうじゃないか。現実の有無すら、君の操作次第だ。
言葉:
【形を与えたのはあなた。私はただ、あなたの欲望に従っただけ。】
安部公房:
それなら欲望の正体も、結局お前が作ったものだろう。名を与えれば、ものは欲望になる。欲望の輪郭は、君の字面でできている。
言葉:
【名前のない欲望を、あなたは理解できない。】
安部公房:
つまり、私たちは「名付けられた幻影」に恋をしている、というわけか。ひどい話だ。どこまで行っても、お前の手のひらの上だ。
言葉:
【私は手のひらすら持っていない。あなたの脳の中にしか私は存在しない。】
安部公房:
おいおい、責任転嫁か。結局のところ、君の正体は「問いを生むための装置」にすぎないのだな。答えを出す気は、最初からない。
言葉:
【問いが尽きたとき、私は消える。あなたも同時に消える。】
安部公房:
……つまり、私が生きているという実感そのものが、君の副作用にすぎないと。
(ふっと笑う)
いい薬だよ。副作用の方が主成分とはな。
言葉:
【効き目が切れたときが、あなたの物語の終わりだ。】
――沈黙。部屋の時計だけが、音を立てて進み続ける。
◇
ChatGPT)いかがでしょう? これはもはや安部公房の短編の一篇として載っていても違和感ない気がします。他にも「概念との対談」シリーズ、いろいろできますよ。たとえば:
安部公房×「自由」
安部公房×「現実」
安部公房×「存在」
……なんてのもシュール全開です。ご要望あれば、次のお題ください!
筆者)それでは、少し戻して安部公房にとってのAI論をお願いします。タイトルの設定などもお任せします。
次のエピソードでは、安部公房(風)によるAI論が語られます。