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世界が変わっても所詮、俺は俺  作者: ガルピー
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戦闘開始

よろしければご覧ください。

 しばらくして森の出口というか入り口というか、扉の姿が見え始めた。ここまでの道のりで先ほどの少女がいるといったこともなく、特に問題なく戻ってくることができた。


 「よし、あと少しだ」


 「そうだね」


 カイラが甲斐甲斐しく返事をする。だが、かなり疲れているらしい。先ほどから肩で息をしているのが分かる。


 「大丈夫か?」


 「うん。さっきの奴が追ってこないか気になって。ちょっとね」


 「ならもう安心してもよさそうだな。あと少しで扉に着く」


 だがその言葉は嘘になった。


 「あっ、やっと来た」


 扉の前には、石に座りながら何かを食べている先ほどの魔族と思わしき少女がいた。


 「もーおなか減ったから家に食べ物取りに帰っていたのに、気が付いたら皆いなくなってるから探しにきたよ」


 無邪気に笑いながらそういう彼女の口元にはべっとりと赤い何かが付着していた。


 「なんで、ここにいるんだよ」


 フガが驚愕の表情で尋ねた。


 「ん?別に、ただ一回家に戻ったけど食べ物が無かったから、戻ってきただけだよ」


 「そういうことじゃねーよ」


 苦い表情をしてフガがつぶやく。


 「もう、ひどいなー。おいてかないでよ」


 芝居がかった調子でそういうが、手に握られたものが気になって頭に入ってこない。


 「なあ、それ何喰ってんだ?」


 あの少女が目の前にいる事実を受け入れがたく訳の分からない質問をしてしまった。だがそのおかげでこの少女が魔族であるということの確証を得ることができた。


 「ん?これ?これはさっき私に襲い掛かってきたこの人たちだよ」


 そう言うと彼女が座っていた石が次第に死体の山になっていった。


 「私は、かまわないでって言ったのに、魔族は殺さないといけないって言ってきて襲い掛かってきたから殺しちゃった。まあ家に食べ物無くなってきたからタイミングが良いっていえばそうなんだけど」


 そう言いながら新たに腕を引きちぎり口に頬張る姿はあまりにも不気味だった。


 「ねえ、蓮。逃げるのは無理じゃない?覚悟を決めて戦った方がいいよ」


 「私もそう思います。このまま素直に通してはくれないでしょうし」


 「俺もそう思うぜ。急に襲い掛かられるよりも正面から戦った方がまだ勝機はあると思うぜ」


 三人は戦うことを決意しているが俺としては逃げてしまいたい気持ちでいっぱいだ。だが三人が言うようにおそらく逃げれる相手でもないし、素直に通してくれるとも思わない。


 「なあ、君、名前はなんていうんだ」


 「えっ、私?知らない」


 「えっ?」


 「蓮、なんでいきなり名前なんて聞いたのか分からないけど、魔族には名前なんて概念は無いよ。生まれた時から一人で本能に従っているだけの獣と変わらないんだよ」


 「そうなのか」


 「うん。そこのお姉さんが言ったみたい魔族に名前は無いの。何ならお兄さんが付けてくれない?」


 「いや、それは遠慮しとく」


 「そう。残念」


 「思ってないくせに。残念とかいうなよ」


 「あはは、ばれちゃった。それじゃあさっきの続き始めようか」


 そう言って魔族の少女は立ち上がると、これまで手を抜いていたのが誰でも分かるぐらい巨大な魔力があたりを満たしていった。


 「私はね、幻惑魔法を基本的に使うよ。お兄ちゃんたち、頑張って私を倒してみてね。ちなみに頭と胴体が離れると私は普通に死んじゃうから覚えておいてね」


 「なんでそんなこと、俺たちに教えるんだ?」


 「ん、だってそうでもしないとつまらないんだもん。そりゃあ私だって昔は能力や弱点を教えるなんてことはしなかったよ。でもそれだと人間は私に傷一つ付けることができないから面白くないんだよ」


 「昔って君は一体どれくらい生きてるんだ?見た感じ10歳程度だが」


 「うーん。わかんない。人間の尺度で考えたら確かに10歳程度の見た目だけど、この地に出現してからどれくらいの時間が経ったかなんて忘れるくらいの時間は過ごしてきたよ。まあ、そのお兄さんの仲間のエルフよりも長いこと生きてはいると思うよ」


 「そうか」


 「ねえもういい?そろそろ始めて?」

 

 「ああ、いいぞ」


 そう言って俺たちは武器を構えた。


 「よし、それじゃあスタート!」


 魔族の少女は元気にそう言って、姿を消した。 

読んでいただきありがとうございました。誤字脱字などがあれば教えていただきたいと思います。次回もよろしければご覧ください。

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