扉の攻略
よろしければご覧ください。
目の前に現れた扉を見て、どのように開けるか考えることになった。扉の取っ手は背伸びをしても到底届く高さには設けられていない。かといってロープかなんかで引っ張ろうにも、そんな長さの物を持ってきていない。
「どうすべきだと思う?」
全員に意見を聞いてみることにした。だが誰も口を開かない。
「しょうがない、壊せるか確かめてみるか」
そう言って立ち上がろうとしたときにサーラに袖を引かれ、それはやめた方がいいと止められた。
「私たちエルフは他の種族と比べて魔法というものに精通しており、その物が持つ魔力量を測ることができます。そのうえで申し上げると、目の前の扉にはここにいる全員の魔力量を足しても及ばないほどの魔力が蓄えられており、全員で攻撃してもおそらく壊すことはできないと思われます」
となれば、どうしたもんかと思う。そもそもこんな鈍重そうな扉が道を塞いでいるなんて想像していなかった。まあ知っていたからと言って何ができたかは知らないが。それでも何かはできたと思わざるを得ない。
「しかたがない、とりあえず今回のクエストはリタイアするか」そう呟いたときにいまだ扉を開ける方法は無いか考えていたカイラが叫んだ。
「ねえ!これ開くよ!」
その声を聴いて扉の方を見てみると確かに開いていた。近寄って見ても確かに開いている。
「カイラ、これどうやって開けたんだ?」
「えっ?別に簡単に開いたよ?」
「そうは言ってもこれ一人で開けれるものじゃないだろ」
そう言って、扉に触れてみると、まるで中身が無いと思えるほど軽かった。
「えっ?これ軽すぎないか?」
それを聞いてフガとサーラも扉に触れてみて呆気にとられた顔をしていた。
「なんですか、これ。こんなものに私たち全員の魔力以上のものが宿っているなんて信じられません」
フガも同じ考えだったらしい。一人で扉を前後に動かしている。
「まあ、なんでもいいじゃない。これで進めるよ」
カイラが全員の顔を見回してそう言った。だがカイラの顔には、この後もクエストを続けられる安心感のようなものと、続けなければならないという絶望感のようなものが同時に浮かんでいるようだった。そしてそれはカイラだけではなく全員が感じていた。なぜなら扉の向こうにはダンジョン内で見ることのできない光景が広がっているだけでなく、その奥からはどす黒い、およそ人間が発せられるものではない異形の何かが感じられたから。
「よし、慎重にいくぞ。それにもし、少しでも危険な状態になったと感じたらすぐにクエストを中断するがいいな?」
誰も否定してこない。それほどまでに嫌な雰囲気が漂っている。
武器を各々が構え、隊列を組みなおし中に入っていった。
読んでいただきありがとうございます。次回以降書くのが楽しみです。よろしければ次回もご覧いただけると幸いです。




