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世界が変わっても所詮、俺は俺  作者: ガルピー
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危機に瀕して

よろしければご覧ください。

 ダンジョンの二階層は一階層とさしたる変化は無かった。ダンジョン内は薄暗く、肌にまとわりつくような生ぬるい風が吹いていた。


 「よし、とりあえず行くか」


 しばらくダンジョン内を探索した。だが今回のクエストの目的が見つからない。そのため、前へ前へと進まなければならなかった。


 「ところでよ、このクエストは何をしたら完了なんだ?」


 フガが思い立ったように聞いてきた。


 すると「えっ?聞いてないの?」とカイラが少し驚いた様子でフガに話した。


 「今回のクエストは、今私たちがいるダンジョンの二階層で魔族の姿が目撃されたからそれ調査に来たんだよ」


 それを聞いてフガは驚愕したように俺の方を向いてきた。そして次第に顔に怒りをにじませてきた。


 「は?聞いてねーぞ、そんなこと!ふざけんなよお前!何考えてんだよ!こんなところに俺たちを連れてきやがって!」


 フガは置かれた状況と自分自身の言葉によって次第に語気が荒くなった。そして、俺に向かって跳びかかってきた。

 

 いや、正確に言えば跳びかかろうとしてきたってのが正しい。フガが俺に襲い掛かろうとする寸前で体に紋様が浮かび上がった。その後すぐさま体を痙攣させながら地面に倒れこんだ。


 「なんだこれ」力なくフガがいう。その口元には鋭利な牙が口いっぱいに生えているのが見える。だが状況が理解できていないのは俺も同じだった。


 「何だこれ?」足元で海岸に打ち上げられた魚のようになったフガを見て思う。


 「すぐに魔力を注いでください!」慌てた様子でサーラが言う。


 「早くしないと、呼吸ができずにフガが死んでしまいます」


 それを聞いて、視線を下に戻すと口から泡を噴き出しているのが分かった。それを見て、慌てて魔力を注ぐと顔の色が元の色に戻っていった。


 「おい、大丈夫か?」


 顔を近づけて聞いてみるがフガは呻き声をあげているだけだった。そこでサーラの方に顔を向けると、彼女はその原因を説明してくれた。


 「蓮様、私たち奴隷は契約をすることで様々な制限を受けることになり、それに背いた場合、その程度に応じた罰が己の身に降りかかるようになっています。今回は主人を攻撃する意思をもったためにこのような状況になったと思われます。そしてその罰は、許しを得た証拠として主人から魔力を注いでもらって初めて止まることになります。契約時にあの男から聞いていたと思ったのですが」サーラが不審がっている。本当は聞いていたんじゃないかという瞳をしている。


 だが、本当にそんな説明は聞いていない。カイラもそんなこと言ってたっけという顔をしている。それでも危うく、フガを殺しかけたのは俺たちが奴隷契約について理解が足りなかったことが原因だ。


「すまん。謝ることしかできないが、フガを殺そうという気なんて全くない。信じてもらえるかわからないがそれだけは言っておきたい」


 俺は頭を下げた。それを見てカイラも「ごめんなさい」と同じように謝った。


 「いえ、大丈夫ですから、頭を上げてください」狼狽した様子でサーラがそう言った。


 「それに、元はといえばフガが襲い掛かろうとしたのが原因ですから」まるで弟を庇う姉のような印象を受ける。


 「本当にすまない」そう言って顔を上げた。


 「ところで、フガは何故あんなにも怒ったんだ?そりゃあ、もちろん魔族を探しているなんてことを突然言われたらふざけるなとはなると思うけど、あの怒り様は尋常ではないだろ。何か原因を知ってないか?」

 

 そう聞くと、サーラが顔を曇らせた。


 「心あたりはあります。でも、長い話になるので今話さなくても構いませんか?もし、今話せと仰るならば話しますが」


 「いや、また別の機会でいいよ」少し考えてそう言った。


 「ありがとうございます」サーラはそう言ってフガに回復魔法をかけ始めた。

 

 サーラの手が黄緑の優しい光に包まれていた。それをフガの額にかざすと次第に息が整っていった。


 しばらくしてよろめきながらではあるが、ゆっくりと立ち上がった。


 「行けるか?」そう聞くと無視して先に進み始めた。


 「もう、何も変わってない」呆れたようにサーラが口にした。


 「ねえ、ねえ、あの二人って昔から知り合いなの?」とカイラが耳元で聞いてきた。


 「さあ、知らない」


 「そう」カイラは何か考えるふりをしている。


 「お二人とも進まれないのですか?」見るとサーラとフガはかなり前にいた。


 「今行く」そう応えて、俺とカイラは二人の側まで走っていった。


 まだ、二階層に入ってからほとんど時間も経っていないのに、既にパーティー内に死人がでそうになった。そのことを思うと全員で生きて出られるのか心配に思える。だが、魔族については調べることは俺たちの目的を達成するためには必要不可欠なことであるため避けては通れない。そう思い先に進む。


 「何これ?」


 俺たちはその後、何にも遭遇しなかった。だが、運がいいのか悪いのかなんて考えていた折に、気が付けば身長の二倍ほどある扉が目の前に現れた。


 「扉だと思います」


 律儀に答えてくれなくてもいいのにと思った。


 だがそんなのは見たら分かることだ。それよりも何故ダンジョン内に扉があるのかってことだ。ここまでの道のりは一本道で特に横穴があったとかは無い。だからこそ戸惑っているのだ。どうすべきか。


 「どうする?開けて入ってみるか?」そう問いかけると、全員こちらを見て頷いた。


 それを見て開けることにした。しかし一つ問題がある。


 一体これ、どうやって開くの?


読んでいただきありがとうございます。よろしければ次回もご覧ください。

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