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世界が変わっても所詮、俺は俺  作者: ガルピー
31/54

クエスト完了報告

よろしければご覧ください。

 「やっと着いた」

 街を囲うように、そびえたつ壁の上部が森の中から見えた時、誰に言ったということもなく口からこぼれた。

 「ほんとだ、ようやくついたね」

 既に時間は夕方の六時を超えようとしていた。既に辺りは薄暗く、空はオレンジジュースに紫の煙を吹きかけたような色になっていた。

 「おなか減ったね」

 「確かにおなか減ったな。でも先にギルドのほうに行ってクエストの報告に行かないといけないから、夕飯はもう少し後になると思うけど大丈夫か?何なら先に食べるか?ギルドへは俺一人で行ってもいいし」

 「そんなに間に受けないでよ。せっかく二人でクエスト行ったんだから最後まで二人でやろうよ」

 笑顔でカイラは俺にそう言った。

 ギルドの中に入ると、昼に来た時とは異なり、ギルドの中では大勢の冒険者が、その日の労を仲間と共にねぎらうために用意したであろう肉や酒があちらこちらのテーブルに置かれていた。

 「俺たちも、何か食べて帰る?」

 「うーん、どうする?ギルドで食べると多少高くつくんだけどそれでもいい?」

 カイラの家庭的な一面を見た気がする。だが結局のところ、自炊するわけではないので、ギルド内で食べなかった場合はどこか別の店で外食することになる。そうなると金額に大きくは影響しない。

 「うん、いいと思うよ」

 というわけで今日はここで食べることになった。

 「それじゃあ、とりあえずクエスト完了の報告にいってくる」

 「うん、行ってらっしゃい!私、二人分の席取っておくね」

 そう言って俺たちは別々のほうへ進んだ。

 「クエストクリアおめでとうございます」

 いつものように事務的に、受付台の向こうに座る女が告げてくる。

 「今回の報酬はこちらになります」

 そこには金貨が6枚銀貨が14枚上に載ったトレーがあった。

 「ありがとうございます」

 淡々とそう言って報酬を受け取り、カイラが座っている席まで移動した。

するとカイラは席から立ち上がり声をかけてきた。

 「どうだった?今回の報酬?多かった?」

 「どうなんだろ、確かに前の薬草採取のクエストよりは多いと思うけど、俺は討伐クエストはこれが初めてだから、基準が分からないな」

 「どれどれ、うん!討伐した数が多かったから依頼書に書いてあった額よりは多くもらえてるよ!」

 カイラはまるで研究者であるかのような振る舞いで、報酬が入った袋の中を覗き込んできた。

 「そうなのか、ならよかったな」

 カイラは、先ほどの演技じみた口調から、いつも通りの口調に戻り「そうだね」と一言返した後に、椅子に座りなおした。そして手を前で前で組み口を開いた。

 「今日は蓮のお祝いも含めて、贅沢な食事にしますか」

 何かを企んでいるような、にやにやとした表情を浮かべたカイラが提案してくる。急な誘いにとっさに何を言われているのか分からなくなり、何の話をしているのか聞くことになった。

 「何の?お祝い?」

 カイラは話の腰を折られた様子でやれやれといった顔で首を左右に振った後、こっちを見てきた。

 「蓮と一緒に討伐クエストを始めてクリアできたお祝い!」

 一瞬、何のことを言っているのかよくわからず頭が混乱したが、落ち着いて整理してみると、討伐クエストをクリアしたのは初めてであり、そのことを祝おうとカイラが言っているのが理解できた。

 「ああ、そういうことか」

 「そうだよ、反応薄いな~蓮は」

 やや不服そうな顔をしながらも、そう言った後、カイラは注文をするために店員を呼びつけた。

 「いっぱい食べようね!報酬もあるし」

 「ああ、でもまだ何も選べてないけどな」

 カイラはしまったという顔をしていたが、そんなこと知らないといった様子で、店員はこちらに近づいてきていた。

読んでいただきありがとうございます。もう少しこの場面で書きたいので続きます。次回もよろしければご覧ください。

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