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世界が変わっても所詮、俺は俺  作者: ガルピー
29/54

リハビリクエスト

よろしければご覧ください。

 森の中を進んで15分ほどしたころに、目的の奴らはいた。遠目からでも分かる新緑の色の中に黒々とした姿。あの黒い体毛に肉をえぐるためだけに進化したような牙、嫌なこと思い出してしまった。

 「蓮、大丈夫?」

 「ああ、ダイジョウブだ」

 しまった。声が裏返った。だがそのことにカイラは触れないでおいてくれた。

 「なら、どうやってあいつら倒すか考えよ」

 そうして、俺たちは視界の端に奴らを捉えながら作戦を考えていった。だが一度戦った相手だ。そこまで気にしなくても大丈夫だろう。

 「とりあえず、今の自分の状態を確認したいから、カイラは手を出さないでくれるか?」

 「えっ、大丈夫なの?」

 「いや、もちろん危なそうになったら手伝ってほしいんだけど」

 「うん、わかった」

 何か言いたげな様子のカイラであったが真意は分からない。

 「よし、行くか」

 そういって、俺は群れに向かって杖を向けた。場所が森の中ということもあり、火の魔法は使えない。であればとりあえずは奴らを逃がさないために周りの土を盛り上げて周囲を覆ってしまうことにした。そして檻の形をイメージしながら魔力を込めると杖が茶色に発光しだした。次の瞬間、周りの木々を包み込むほど遥か上空へ土の柱が11本、地面の魔法陣から出現し、その柱から柱に向かって網目状になるよう、次々といばらの形を象った細い土の棒が柱を縫い合わせるがごとく伸びていった。

 それは一瞬の出来事であったため、カイラとブラックウルフの群れは戸惑っていた。そしてこの現状を作り出した俺ですらあまりの規模に呆気にとられるように天を見ていた。

 「蓮、すごいね」

 カイラが心ここにあらずといった様子でそう言った。

 「ああ、まさかここまでの物が作れるとは思ってもなかった。杖ってこんなにすごいのか」

 二人して周りを見渡しながら、その状況に見入っていた。ブラックウルフのほうはというと、環境の変化に戸惑いを隠せない様子であたふたとしていた。

 「カイラ、あれってチャンスじゃないか?あいつら慌ててる様子だし」

 「えっ?あっうん!今なら簡単にやれそうだね」

 カイラは俺の声につられて意識を奴らに向けなおした。

 「次はどうするの?とりあえず逃がすことは無くなったわけだし」

 「そうだな、周りに被害が出そうな火の魔法は使えそうにないから、水の魔法を使おうと思ってる」

 「それって大丈夫なの?さっきの土魔法みたいな規模なら私たちも巻き込まれてしまいそう」

 「多分、大丈夫だと思う。さっきの魔法のおかげで何となく感覚はつかめたから」

 「それなら」

 カイラの顔を見るにあまり信頼がなさそうだ。確かにこれまでの俺の失態を考えると、上手くいったことはほとんどない。半分以上死にかけている。だが、今回は上手くできると思う。そう思い魔力を再び練り上げた。今回も杖を介しての魔法発動になるため何も考えないまま発動してしまえば、今俺たちを囲っている土の檻の規模のものが同じように出てくるだろう。その場合はこの中にいる俺たちにも危険が及ぶ。そのため今回は魔力を絞りあげるように意識してみる。すると群れを囲うように水色の魔法陣が出現した。それを見て戦闘態勢に入ったようだが、もう遅い。その群れが俺たちに気づいたときには無数の水の刃が奴らの体をずたずたに引き裂いた。そしてその後すぐに魔法陣は消滅し、水煙の中から視認していた数よりも多い影が浮かび上がってきた。近づいて確認してみると、全てのブラックウルフが死んでいることが確認できた。

 「すごいね、蓮。あれって水の魔法でしょ?蓮のことだから窒息させて殺すのかと思ってたけど、あんな刃みたいな形にして飛ばすことができるんだ」

 「俺も初めは窒息させてやろうと思ったけど、この杖があるならも複雑な魔力操作もできるかもと思ってやってみたんだけど上手く発動してくれてよかったよ。それもこれも全てカイラがこの杖を見つけてくれたからできたことだよ。本当にありがとう」

 「そんなことないよ、蓮がすごいんだよ」

 「いやいや、そんなことないよ」

 「いやいや、そんなことあるよ」

 そんなやり取りをしながら、クエスト達成の証拠を持って帰るために倒したブラックウルフの残骸を集めまわっていた。

 一通り回収し終わった後、集めた頭のいくつかは袋に詰め込み、残りの頭は俺のスキル「収納」によって俺の中に取りこんで持って帰ることになった。これもまだ完璧ではないので、個数制、重量制限がかけられておりすべてをしまうことはできない。だがこの世界に来た当初は1キロ程度しか収納できなかったころに比べると随分と使い勝手のよいものになったと思う。収納中に俺の中に入っていく頭部をカイラが熱心に見ていたのが気恥ずかしかったが、この世界では「収納」のスキルはかなり珍しいらしく、スキルの存在は聞いたことはあっても実際に見たことはなかったらしい。そのためどんどん吸い込まれていく様子を面白く思い、眺めていたそうだ。

 そうして俺たちは一通りの仕事を終えた。今回、魔法の威力も確認できたし俺自身の状態も確認できた。そのため、クエストを受注した概ねの目的は達成できたと思う。

 とりあえず今は早く戻りたい。そう思う。

戦闘描写の書き方が分かりません。勉強していきたいと思いました。今回もここまで読んでくださりありがとうございます。また次回もよろしければご覧ください。

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