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世界が変わっても所詮、俺は俺  作者: ガルピー
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ダンジョンでの二次試験4

よろしければご覧ください。

 結論から話すと助けることにした。ブラックウルフがしびれをきらし、跳びかかろうとする前に、最後尾にいた5匹の首を風の魔法で刎ね落とした。だがそのことに反応したのは、後ろにいた10匹程度だけだった。首が無くなった仲間を一瞥し、すぐに俺に向かって敵意をむき出しにしてきた。それでも群れの前方にいるやつらの意識を、俺に向けさせることは叶わなかった。失敗したと考えている隙に、4人パーティーがいたあたりから、悲痛な叫びが聞こえてきた。

 「痛い!痛い!離して!嫌、嫌、嫌!」

 「離せ!やめろ!このやろうが!おい起きろって!」

 言葉として聞き取れるのはこれぐらいだった。あとは力の限り叫ぶ声と、四人を貪り食う、ハンバーグをこねているかのような不快な音だけが耳に届いた。その声を聴いて気分が悪くなった。一刻も早くここから立ち去りたい。

 こちらに向いた10匹の足元の地面から土の刃を飛び出させ、腹をえぐるように突き刺した。だがそれで殺せたのは4匹で残りは危険を察知して地面から跳び退いていた。すぐさま次の手段を考え、魔力を練った。今度は奴らが警戒している足元ではなく、頭上からの攻撃を行うため手元から氷の矢を放ち2匹殺した。残りは4匹、次の手を考えないと。だがその瞬間、残りのブラックウルフが一斉に俺に跳びかかってきた、不意を突かれてしまい、俺は地面に押し倒された。そのまま抵抗むなしく無数の牙が俺の体に突き刺された。少しでも抵抗しようとしても、体中かみつかれ、血は全身から流れ出し、次第に抵抗する気もなくなってきた。そんなときふとカイラに魔力を送れていないと気が付いた。まさかと思いカイラのほうに残りの力を使い頭を向けようとすると、深々と突き刺さった牙に力が込められておらず、異変を感じ、体を起こすと4匹のブラックウルフの体は2つに分かれており断面からは噴水のように血が噴き出している。そして眼前にいた4人パーティーを襲っていたブラックウルフの群れも少し遅れて、全てバラバラになった。その異様な光景に目を見開いていると、横にカイラが抜刀した状態で服を深紅に染めて立っていた。そして俺を見下ろして剣を鞘に納めた。

 「大丈夫!?蓮!」

 慌てた様子で、そう言うカイラには傷1つ無く、いま目の前で起こった出来事はすべてカイラがやったのだと理解できた。

 「多分、大丈夫だと思う」

 そう言ってみて驚いた。自分の口から出た言葉の音量が、想定よりも小さく聞こえたからだ。カイラに寄り添う形で、もたれ掛かり、今の状態を目だけを使い確認する。まず、血は止まっておらずカイラの服やその周りの地面を赤く染め続けている。それなのに痛みは感じていない。危険な状態であることは容易に理解できた。だがどうすればいい。何か都合のいいスキルはあったか?そう考えている間にも血は流れ出していき、体温が失われているのが分かる。回復に関するスキルは無いのか?駄目だ、何も考えれない。そばにいるカイラは泣きそうになりながら何か叫んでる。そんな顔させるつもりはなかったのに、本当に悪いことをした。俺が弱いばかりにこんなことになるなんて。どんどん視界が暗くなってくる。

 そうして最後は、翡翠色に輝く宝石のような目が潤んで雫が次々と落ちてくることだけ分かった。

今回も、読んでいただきありがとうございました。次回もよろしければ、読んでいただけると幸いです。

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