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世界が変わっても所詮、俺は俺  作者: ガルピー
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宿泊した日の夜の出来事

一つ前の話から、読んでいただけると幸いです。

 ん?なんだ?誰かが俺の肩を揺さぶっている。

 「ねえ、起きて」

 そう囁かれた。いつか見たようなデジャブを感じる。いつだったかな、こんな感じで夢の中で起こされたような気がする。ということは今回も同じく夢なんだろう。そう思いながらも目を開けるとそこは日本の自分の部屋だった。そして呼びかけてくれた人物などそこにはいなかった。

 「えっ、俺戻ってきたの?」

 あっけにとられて独り言を言ってしまった。改めて、周りを確認してみると、見覚えのある机や本棚などがあり、俺は今ベッドの上にいる。少し手を前に突き出して、異世界で覚えた魔法が出るか試してみる。出ない。

 「そうか、夢だったのか・・・」

 そう呟くと少し残念な気もした。向こうの世界には魔法や剣術といった心惹かれるものがあり、毎日が充実していたように思える。それに、名前は何だっけ?カイル?カリナ?確か、そんな名前の女と俺は一緒に旅をしていた気がする。何をしたかの記憶は朧気だが、あの美しく輝くような銀髪と少し前に伸びた髪の間から、のぞき見える翡翠色の瞳。そして俺よりも小さいのに、戦いにおいては誰よりも凛とした姿勢で佇み、引っ張ってくれたあの人、だけど眠っているときはまるで赤子のような幼い顔をするあの人。そんな様子がありありとよみがえってくる。

 「あーなんで、夢だったんだよ」

 そう、ぼやかずにはいられないほど、惜しいものをなくした気持ちに駆られる。もっと一緒に居たかったし、もっと一緒に冒険とかしたかったな。

 そう思うとふいに涙がこぼれてきた。

 「なに泣いてんだよ、たかが夢だろ」

 そう自嘲しながら部屋を出ようとしたとき、世界がぐらぐらと揺らぎ、その後、俺を中心として部屋全体がぐるぐると回る。なんだこれ?焦る気持ちが募る。

 「ねえ、起きて、起きてってば!」

 その声にハッと意識が戻る。

 「蓮、なんでそんなところで寝てるの?それにさっきから苦しそうに呻ってるし。そんなにきついならベッドの中に入ってこればよかったのに」

 呆れるようにそう言うのは、あの夢の中の女だった。

 「ねえ、聞いてる?夜は多少冷えるし、そこで寝るのはやめたほうがいいと思うよ。別に私、気にしないから一緒に寝よ?」

 「カイラ?」

 「ん?どうしたの?」

 そうだ、カイラだ。間違いない。急に名前だけを発する俺にカイラは少し戸惑っていた。

 「いや、いいんだ。そう寒かったんだよ。そのせいかもしれないけどちょっと変な夢を見てたんだ」

 「えっ、どんな夢なの?」 

 「俺が日本の自分の部屋に戻る夢」

 そう言いながらも、まだここが夢の世界ではないかと少し手の甲を引っ張てみる。痛い。こっちが現実だ。向こうが夢だ。そう納得すると安心した。

 「あのね蓮、こっちの世界から向こうの世界に帰るには魔王含めた魔族を滅ぼさないと帰れないよ。というか、蓮をこっちに召喚した人たちが返さないと思うよ」

 それを聞き安心した。

「よかった」

 そう呟いた俺に対してカイラは不思議そうな顔をしていた。

 「じゃあ、お言葉に甘えてベッドで寝ていい?」

 「うん。いいよ。もう夜遅いから明日に備えて早く寝よ」

 そう言いながらカイラはベッドに戻っていった。俺もその後ろを追うようについていき、カイラを少し奥のほうに押し込んでベッドに入った。ここに泊まることになった時は、我慢がどうだの考えていたが、今はそんなこと考えていたのが馬鹿らしく思える。そんなことでカイラの信頼を失うわけにはいかないと切実に思う。それにベッドに入ると、冷えていた体をカイラの体温で温まった掛布団が心地よく包み込み、気持ちの良い眠気が襲ってきた。なので、抗うことなく俺は深い眠りに落ちていった。

 

漫画などの「~.5」の時に描かれるものを書きたかったのですが上手くできませんでした。ただ書きたかったものは書けたので満足です。皆さんの閲覧が執筆意欲の支えとなります。いつでも見てやってください。


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