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若くして未亡人になってしまった女王陛下の暇つぶしに付き合ってお慰めする順番が、遂にオレにも回ってきた

作者: BEL

 遂にこの日が来た。


 夫君がお隠れになられて早三月。

毎週末、騎士が傷心の女王陛下をお慰めする催しが開かれる。

上手くすれば、再婚相手として選ばれるかもしれない。


 だが、不興を買えば、近衛騎士の職を解かれてしまう。

既に3人の騎士が城を去り、多くの騎士が昇進の目は無くなったと落胆している。


 しかし、これはチャンスだ!

現代日本から異世界転生したのに何もチート無し、だが陛下の気まぐれスカウトで近衛騎士になれた俺。

剣の腕はからっきしだが、運の良さなら誰にも負けない!



「騎士ロンバルディア入ります」


「うむ、入れ」



こうして俺の将来を左右する一大イベントが始まった。



「エルザス陛下にはご機嫌麗しゅうございます」


「うむ、してそちは何を見せてくれるのかのう」


「はっ、不肖ロンバルディア、荒事は苦手なれど、喉を生かした芸事には自信がございます」



ふふっ、カラオケ大王と呼ばれたこの歌声で、陛下のハートを掴んでみせる。



「ほう、それは楽しみであるな。 ならば笑い話をして聞かせよ」


「へっ?」


「どうした、妾は楽しく笑える話を所望しておる。 早速始めよ」


「ははっ」



どうする、準備してなかったぞ、ギャグでも披露すればいいのか?



「で、では……『その仕事で報酬500だと、本当か』『ああ、EMKだ』」


「いー……なんじゃ?」



し、しまった、異世界で英語は通じない。



「す、すいません、えらい儲かったという」


「つまらん」



いかん、別のネタ別のネタ……。



「では……何っ、それは許せん! 三倍返しだ!」


「それがどうかしたのか」



ああっ。 いたぶられる描写無しでいきなり「三倍返し」とか叫んでも意味ないっ!



「えー、愛の字はノボボボワシン……」



あー、異世界に漢字無いし。



「全く、口ほどにもないのう。 妾が手本を見せてやろう」


「す、すいません」


「よいか、よーく聞けよ」


「はっ」


「こんな筆があるとは、パッパマシマシ。

これは参った、出番じゃない、出番じゃないですね、ゴチェーン」



はい?

なにこの昭和ギャグ、俺が生まれる前の奴じゃん。

「昭和のお笑い大全集」みたいな特番でしか見た事ないぞ。



「なんじゃ、何を固まっておる」


「い、いえ……」


「全く、笑うフリすらできぬのか」



しまった~。

いや、マテ、まさか陛下も転生者?

なんかニヤリと笑ってるぞ。



「ほれ、昭和の次のギャグを早う教えるのじゃ。 新しすぎるのは付いていけぬがな」


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