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02話:ちょっとそれひどすぎですって!!

三連休暇なので後一話ほど書けたら書きます



 エリゼ様との話し合い??が終わってすぐ、超絶美形の執事風の人を紹介された。


「そういえば紹介がまだだったわね。彼……(執事風の人からすさまじい威圧)ごほん、彼女は……カルネリア・ル・アウストゥル……わたしの専属の秘書をさせているの。ちなみに男装は私の趣味だからね♪」


「(エリゼ様にすさまじい威圧をしながら)ご紹介に預かりましたカルネリア・ル・アウストゥルと申します。先ほど姫様がおっしゃられた通りこれは姫様の趣味であり私の趣味ではありません決して!!!!!(今度は血の涙を流しながら訴えかけるようにこちらにもすごい威圧)わたしのことは気軽にカルネとお呼びください(踵を返すようににっこり微笑んで)。リン様」 


  威圧が怖すぎて全然名前が入ってこなかった……けどカルネさんって呼んでいいことはわかったよ。うん。苦労してそうだね。


 ちなみに後で知ったことだけど、ガンツさんやカルネさんが姫様って呼ぶのも趣味で呼ばせているらしい……。国主様ってなんでもありすぎじゃない!?それと年齢は不詳らしい……。ちょっと……国家元首がそれでいいのか……もう少し「軌跡への軌跡」の設定資料集読み漁っておくべきだったかなぁ……。そこでも年齢不詳なんだろうけどねぇ。ははは


  ま、まぁいいかな。とりあえずは護衛の内容でも聞かないと……さっきからカルネさんが笑顔でこっちを見てるのが怖いし。うん。他意はないよ??


「そ、それで、護衛って具体的にどうすれば……??私ロミアへ向かうところを間違えてミルサンロ街道に来ちゃった田舎者なだけなのでお役に立てる自信はありませんよ??」


「それなら心配ありませんよ。カルネ。例の物を彼女へ渡してください」


 そういわれるとカルネさんが空間魔法を使い、(ちょっと待って。皆使いすぎでしょ!!)一つのスクロールを手渡した。スクロールには即時発動型の変身魔法の文字があったので思わず「げっ!?」って変な声を出して逃げそうになる私をエリゼ様がすぐに捕らえて「がしっ」とホールド……これ、絶対私要らないよね??


「これを使ってください」


 そして説明すら省く塩対応に思わず


「説明くらいしてくださいよぉ!!」と叫ぶ。すると


「ようやく面白い反応が見られました♪今までずいぶん冷静な方で面白みがないなぁって思ってまして、ほんの冗談です♪」


  じょ、冗談って変身魔法込み……ですよね??面白い反応が見たいだけで即時に塩対応を合わせてくるエリゼ様とカルネさんのコンビに恐怖を感じた瞬間だった。それって変身魔法のスクロールも込みですよね??って言おうとした瞬間。


「このスクロールには変身魔法が即時発動型で入っていまして、誰でもわたしになり切れるという物なんです♪」


 嫌な予感は普通に当たるもの、良い予感は絶対と言っていいほど当たらないというのが私の座右の銘なんだけども、この世界でも適応済みですか……そうですか……。まぁ、廃人時代にガチャ500連爆死とか普通にありすぎて全然良い予感がしなくなったのも問題なんだろうけども……。今も私はガチャで≪絶対に要らないもの≫を引きたくないなぁって思いながらガチャを1回だけ回したら確率がどれほど低くてもそれが出る。みたいな心境に近いと思う。あれきついんだよねぇ。という現実逃避を終えて。


「へ、へぇ~。エリゼ様になり切れる変身魔法ですかぁ。そ、そんなものを渡して私が逃げてエリゼ様の顔やお声で悪事を働くかもしれませんよ??」


  絶対に使わないからね!!って意味を込めて放った言葉も


「大丈夫です。わたし、人を見る目は確かですので(にっこり笑顔)」と躱され


「で、でも、万が一っていうことも……」


「『億が一』、あったとしてもそれは見る目がなかったわたしの責任ですのでお気になさらず♪」と追撃で撃沈。


 なぜにこの方はこんなに私を信用しているんだろう……??もしかして神託に個人情報が晒されていたりするんじゃないかな……。神様だしそんなひどいこと……あ、私殺されてるじゃない!!し、信用できないなぁ……。まぁ、私としてもエリゼ様はいい人だと思うし、そんなに条件も悪くない。為せば成る為さねばならぬ何事もってことで、女は度胸だよ!!


  だけど「わかりました。やりますよぅ」と、先ほどの心境はどこへやら……か細い声が出た。しょ、しょうがないじゃない!!怖いんだもの!!国主様の暗殺者の相手をレベル3でしないといけないなんてゲームのクエストであったら明らかにクレームはいるよ!!守りは頑丈だけど内部(私自身)は脆いんだからぁ。


「まぁ、戦いになれば確実に炎竜のチームとカルネが必ず守りますので大丈夫ですよ♪安心してください!」


 そ、それは安心できないフラグなのでは……??


「では、わたしは空間魔法で隠れていますのであとはよろしくお願いしますね♪」


 そう言ってエリゼ様は恐らく空間魔法のディメンションエリア??を使い、自分だけの空間へ入っていった。これでさらに高位の空間魔法の使い手にしか手が出せないわけだ。ちなみにディメンションエリアは解除すると発動時の座標にしか出られない。今回なら馬車の中で発動したけども、馬車を動かしてしまえばディメンションエリア解除時は何もない地面へと降り立つことになる(障害物があると出られない)。それがわかっているのかカルネさんは馬車を少し動かす指示を出して、地面に魔法陣を描き始める。これはエリアメモリーと呼ばれる書いた地点を書いた本人にしかわからないというだけの魔法陣なんだけど、前述の通り、ディメンションエリアは解除時に障害物があると出られないので、その憂いをなくそうということなんだと思う。


 エリゼ様を見送ったあとカルネさんが「では、これでお願いします」とスクロールを手渡す。もうどうにでもなーれーっていう心境でスクロールを発動した。


「≪スクロールオープン≫」


 そして発動すると体のいたるところが変調をきたす。まずは身長だ。エリゼ様は私よりも大きかったので視線が少し高くなった。そして日本人の女性の大半が感じているであろう足の短さが改善??された。一時の夢だとしてもこれは少しテンションが上がるよね。そして私は長髪だったけどもエリゼ様はセミロングだったので髪の毛も長さが変わり、色も茶髪と黒が混じったような色から銀髪になった。そして肝心の顔はカルネさんがそっと手鏡を渡してくれたので確認したらエリゼ様そのものだった。そして一番肝心の部分である胸と括れは完ぺきだった。もう一生この体でもいいかもしれないと思った瞬間だった。


「それではリン様には姫様として過ごしていただきます。ただし、お忍びという設定ですので街道をこのまま進み、湖畔の街ミルサンロへと行っていただきます。設定の細かな部分としてはまずは国主であるというのは完全に伏せていただき、≪どこかのご令嬢≫という体でお願いします。あとは自由に散策などをしていただいても結構ですので。ただわたしは同伴いたしますが……あと、スクロールによる探知型のマッピングという魔法を常時使用していただきますので。これは敵味方問わず探知型の魔法を仕掛けられた時に逆探知を仕掛けるというものです。ちなみに定期的に炎竜の方からも探知魔法をかけますが、それについてはわかりやすいように街の外から探知型でも高位魔法のエンドレスチェイスをかけますので大丈夫ですよ。味方にはテレパシーによる連絡がいつでもできる手はずですしね。それに街の中でエンドレスチェイスなんてかけたら即衛兵につかまっちゃいますからね。それで、本来エンドレスチェイスは常時発動型ですが、それをわざわざカットしてはまたかけるという手法を用います」


 え、エンドレスチェイスかけられるの!?あれって対象が一度死ぬか術者が魔力供給をやめるまでその名の通りずっと続くっていう究極のストーカー魔法だったから私は逃げられないんだと悟った。あれにはいい思い出がないんだよねぇ。たまーに街を歩いているとログウィンドウに※エンドレスチェイスが発動されましたって出ることがあったんだけど、その度にストーカーされて……たまに街の外までついてくるものだからMPKしに高位ダンジョンのボス部屋でボスの必殺技手前でその人へ誘導したなぁ……なんて感傷に耽っていたけど、そんな場合じゃない。まぁ、味方からのエンドレスチェイスは有難いことのほうが多いし、いいかなぁ。


「お話はわかりましたけど、相手は街の中でも追ってくるような連中なんですか??」


「はい、残念なことですがわが国……というかお嬢様は各国の暗部に凄く恨まれていますので……いつの世も革新派というのは狙われる対象なんですよ。まぁ、姫様がしでかしたことによる各国暗部の被害は相当なものなので当然なのですが……」


 ……今、かなりおかしな内容が聞こえたような??暗殺者って各国の暗部の人たちなの!?ゲーム版の「奇跡への軌跡」での暗部とは横領や搾取をしている領主などがいたら粛正するという所謂最終手段のはず……。そんな方々に狙われる国主様……。ミリアーヌ法国は本当に大丈夫なのかな……。


「今、引き受けたことに大変後悔しております……このまま逃げてもいいですか??」


「逃げたいのならお逃げになっていただいてもかまいませんがそのお顔とお声、お姿で一人で逃げると絶対に悲惨な末路を迎えますよ?」


 そ、そうだった……今もう私はエリゼ様の代役なんだった……。ということで各国の暗部が関わっている国主様暗殺計画の真ん中に私はいきなり放り込まれたのだった。レベル3なのに生き残れるのかなぁ私……。

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