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星の見えるあの丘に

作者: 夏頭巻



 「今日もきれいだなあ。」

そう言って、ボクは星の見える丘に座って、上をながめていた。ボクは、この(おか)に登って星をながめるのが好きだった。



 いつものように星をながめているときのことだった。いつもは人がいないはずのこの丘に、人影があった。(誰だろう)と思い、見てみると、その人は学校で同じクラスの(そら)さんだった。空さんは、学校ではあまり目立った存在ではなく、いつも一人ぼっちでいる。

「君も星に興味があるの。」

と、ボクは気付いたら言っていた。ボクは空さんにも、同じ趣味があるのかな、と考えると、とてもうれしくなった。

「う、うん。」

と、空さんは答えた。それから、ボクと空さんが仲良くなるまでに時間はかからなかった。



 「どうして君は、星を見るのが好きなの。」

しばらく、ボクと空さんが話した後、とうとつに空さんはボクにそう尋ねてきた。

「んー。星は変わらないからじゃないかな。」

ボクは、空さんにそう答えた。

「んー、でも、それはおかしくないかな。星も変化は常にしていると思うし、数とか変わるじゃん。」

そう、空さんは答えた。現実的だ。ロマンがない。でも、ボクにはある考えがあった。

「何でも常に変化はするさ!でもさ、あの星のかがやきだとか、与えてくれるモノは変わらないの!」

ヘリクツだったけど、ボクは本当にそう思っていた。言った後に(言わなきゃ良かったな。)って思った。だけど

「へー!ステキだね!」

と、空さんは言ってくれた。ボクはなんだか嬉しいような、許されたような不思議な気持ちになった。その後も丘で星の話やいろいろな話をしたが、ほんとに楽しくて、また2人で、この丘で星を見ようという約束をした。



 次の日の学校のことだった。ボクは学校の昼休み、空さんと昨日のことについて、おしゃべりをしていた。すると、そこにボクがいつも遊んでいる友達がやってきた。

「よー、グラウンドでサッカーやろうぜ!」

友達は、サッカーがしたいらしく、そう言った。

「いーよー!空さんもサッカー誘っていいよね。」

とボクは言った。だけど、次に友達が言った一言はとてもボクを困らせるものだった。

「え、やだよ。だって、空さんっていつも一人ぼっちじゃん!んじゃ、サッカー来るときは空さん抜きで来いよな!」

そう言って、友達は教室から出て行った。ボクは、空さんの方を向けず、背中にはいやな汗が流れていた。

「サッカー、行ってきなよ。」

後ろから、明るい声でそう聞こえてきた。(え!)と、ボクが振り返ったとき、ボクはドキッとした。目を赤くした空さんが、そこにはいたから。ボクはその空さんに何も言えず、サッカーに行ってしまった。



 ボクは夕暮れまで家に帰れずにいた。今日の昼休みのことが、ボクの頭の中でグルグルしていたからだ。だけど、家に帰らないわけにもいかないので、下を向いてトボトボ歩いていた。(どうすれば良かったのだろう。)という思いが、ボクの心の中でいっぱいだった。そういう思いを抱えた上で、ふと上を見たときだった。ボクはハッとした。空には夕暮れの中、うっすらとかがやく星がそこにはあった。



 ボクは、それから一目散に走っていく。空さんがいるかどうかは分からないけど、行かなきゃいけないと思ったから。でも、きっと居るはずだと思った。とにかくあそこにいかなくちゃ。






星の見えるあの丘に。


読んでくださった方がもし、おられるならば、このような駄文で申し訳ないという気持ちと、読んでくださり、ありがとうの気持ちをおくりたいです。たまには、上を向いてみると新たな発見があるかもしれません。 

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