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止む終えなく詩を吐くもの
それは
まるで
宇宙人が
ラジオ放送の断片を繋いで
メッセージを発するように
わたしたちにインプットされた言葉たちを繋いで
アウトプットするメッセージとして
詩があるのです
発信元は
じめじめとわだかまる蛞蝓の想いかも知れず
当たり前に立ち竦む孤独な魂かも知れず
どうして言葉なんてあるのだろう!
無ければきっと争いは速やかに終わる
原始的な世界において
幸せはもっと単純で純粋だろうに!
それでも言葉は世界を変えていく
思想として
スタイルとして
記号として
理想という名の商業として
言葉は多様性という怪物に変容している!
ほんの一握りの言葉だけを
僅かながらに美しく思う
狭き世界の捕られ人として
いつも詩人は放逐される運命
それでも
止む終えなく詩を吐くものは
まだ残る世界の美しさを
あるいは
醜さにある明らかな今を
言葉の列として
誰かの脳内に再現する
魂に刻印を持つ者として
避けられない定めとして




