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絶滅する季節  作者: につき
13/20

扉が開くとき

それは

止む終えなさでしょうか

それとも

我儘でしょうか

それとも

痒いような心の疼きでしょうか

あなたが本当に詩人の魂に取りつかれたならば

制御不能の扉が開くでしょう

訪れる言葉の奔流に備えて

内なる言葉を磨き続ける必要があります


どうですか?

透明な日差しに、突き刺されるような痛みはありますか?

静寂の中に、痺れるような意識の遠のきはありますか?

それとも喚き散らしたいような分からなさがありますか?


如何ですか?

わたしは虜囚を探しています。

詩の足枷を外せない呪われた同志を。


もしも

あなたがそうならば

ともに語りましょう

世界の不完全を

宇宙の未成熟を

存在の無限なる広がりを

そして

美しさの悲しさを

光輝く憧れの果てしなさを

暗闇の純粋な近しさを


言葉は宙より訪れて

それぞれの言語で濾過されて

味わいは風土に左右されるけれど

きっと元になる言葉の風は同じだから

わたしたちの誰もが

もっと感性豊かならば

言葉の元を共有出来るはず


そこに人種や

言語や

文化や

風土は

介在しない


ただ空がある限り

そこに言葉の元なる風が渡る限り

我々は個の存在の源泉を共有している


……

扉が開くとき

己を超えて

個に共通する意識へ目覚める時

それは訪れる


個である意味を知る時が

誰もが例外なく

世界の一欠片であることを知る時が


われわれは

言葉の源泉であり

その担い手であり

広がり続ける宇宙の語り手である

……


この扉を閉じることは出来ない

待つことしか出来ない

その間センチメンタルに

震えることしか出来ないことは

きっと先人達も

よく承知のことだろう

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