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狂気のままで
16.9.11 推敲
狂気をなだめる
穏やかな波の調べ
わたしたちの
何かを生み出そうとする
止められない衝動は
狂気から発して
情熱に昇華する
そしてほとんどの憧れは
やがて叶わない幻滅により
昏く狂気に還る
狂気を宥める旋律は
穏やかであろうとする願い
わたしたちは
己の昏さを制御出来ず
諍い合い
傷つけ合い
壊し合う
そのことは
悲しくて
祈りは
いつも白く
胸の中に沈む
あいまいなままで
空に雲は自由なように
定まらないままで
海は波を繰り返すように
終わりなど知らず
月は満ち欠けるように
全ては続いていて
全ては終わる
バッタのように
生き死にできない
わたしたちだから
狂気に焦げてしまわないように
それでも
しっかり狂気を見つめて
これが
本当の世界の在り方だと
確かに在る個の在り方だと
たとえ
行く末がどうなろうとも
成るべきようにしか
成らないことを知り
日が昇れば
暮れるように
夜は始まり
そして明るさに終わるように
全ては続いていて
全ては終わる
わたしたちもまた
