ボカロPになりたい誰かへ
一部の人には気に入らないことかもしれませんので
閲覧注意です
ただし、この警告を無視し閲覧した場合の文句は受け付けませんので御了承を
ボカロPになりたい
最近、そう最近は無駄にこのようなことをいう阿呆が多いと感じている
ボカロPとは何であろうか?
そのような発言をするものは、きっと
陽炎や栞や箱などを創った存在を
『ボカロP』だと思っているのだろう
阿呆、阿呆だ
あまりに阿呆過ぎて憐れみすら抱く
ボカロPとはそういうものではない
例えば、
再生数一桁のボカロ曲製作者はボカロPとは言わないと?
例えばランキングに載らないボカロ曲製作者はボカロPとは呼ばないと?
例えば…
言えば長くなるのでここまでにするが
残念だがそれでも『ボカロP』だ
そして君達に与えられた場所はそこである
それを『仕事にする』だの『夢』だの何を考えたらそうなるのか問い詰めたいところだ
まあ、いい
一つ話をしよう
君達の様に夢を見て敗れていくものの話を
いや、夢にすら見なかったものの話を
◇
私は音楽が好きだ
私は音楽を創るのも好きだ
ただしオンリーワンもナンバーワンも求めてはいない
逆に言えば不可能である
オンリーワンを求めた結果が昨今の近代音楽であり、
一般人には不協和音全開の雑音でしかない
「またか…」
とある形のない人気曲が某投稿サイトに投稿されていた
人気に群がる虫が『パクリ』と叫ぶ
人気に群がる虫が『ネ申曲』と叫ぶ
ああ、やめろ、やめろ、やめろ
見るな、見るな、見るな
有限の感情と有限の音数
その組み合わせで創られる音楽という『有限』の芸術
それを
人の心でさらに雁字搦めにする
ああ、この世界に自由はない
音楽とは一体なんだったのか…
最近よく考えることである
答えはきっと見つかることもないだろう
…今の心を歌詞にしようとしてみるも
上手くいかない
まあ、いつものことである
◇
「…」
次の日、あの曲は『ネ申曲』で埋め尽くされていた
『ランキング一位おめ』
ランキングとはなんであろうか
芸術とはなんであろうか
それは比較対照させ、競い合わせるものだっただろうか
そう思いながら五線譜に筆を滑らせるも
その全てはゴミ箱行きだ
『どうせ誰にも聞かれない』
そう心に思い込ませても
『この曲は何処かで聞いたことが…』
そう心に思い込まされる
何も進まない
だが無理矢理進ませる
今日もまた
意味を持たない曲を産んでしまった
それでもその創造に酔いしれてみることにした
◇
「評価…評価か…」
また次の日
『もっと評価されるべき』
あの曲の再生数が伸び悩んだ結果
このような言葉を見かけるようになった
評価とは何であろうか
ミリオン再生突破したら
それは評価されたことになるのだろうか?
『皆が聞いているようだから』
『なんかよく再生されているから』
そんな感情が前提でそこに評価はあるのだろうか?
良い曲と評価されているから良い曲と評価する
悪い曲と評価されているから悪い曲と評価する
それは一体誰の評価なのだろうか?
『もっと評価されるべき』
それは
『もっと自分の評価が拡げられるべき』
の間違えではないだろうか?
まあ、どうでもいいことである
そっと、
自分が投稿した曲の再生数がゼロなのを確認して
私が気に入っている、
今までの曲の再生数が1である人
その人の曲が投稿されていたので聞いてみた
「いい曲だな…」
私はそっと呟いた
それが誰への評価か自分でもわからないまま
◇
「音楽は好き…」
ついにこの言葉に断言が出来なくなった
まあ、いつか来ると思っていた日である
『ミリオンおめ』
あの曲はついにミリオンになったらしい
だからどうしたではあるが…
「…」
最近は曲を投稿することはない
いやもうないだろう
『音楽』は『私の世界』だけを
彩るものだと気がついたからだ
「いや『音楽』は好きだ
断言できる」
そう、やっと私は音楽に対して自由になれたのだと
理解した
◇
…暇つぶしぐらいにはなっただろうか?
理解できないなら
失望しろ
理解できたなら
諦めろ
それでも進んだなら
褒め称えよう
何があっても慰めはしないが
それでは最後に
君の『音楽』が『私の世界』を彩ってくれることを
望んでいる
実はこの短編『私』の行動と思考が『皮肉』で埋め尽くされています
分かりますよね…




