アジアの純真
なし
「おい、何ぼんやりしてんだ」
幼なじみの啓太
その怒氣の含んだ声に
おどろく
ぼんやりしていた。
「封筒の名前。読め」
ぶっきらぼうに命令する
彼もこの超忙しい状態に
どうしていいかわからないのだろう
それにしても
すごい弔問客。
葬式封筒も山積み
一枚とって読み始める
「サンフランシスコ ジョン・マイケル」
なに、外国か
次も取る
シンガポール
北京
ベルリン・・・・
んん
どっかで聞いた歌の文句
なんて奴だ
弔問もワールドワイド
「手伝いますか」
喪服じゃないけど
黒服
黒のカッターシャツに
黒のGパン
ラフな葬式スタイル
「おたく、どなた?」
啓太が割り込んできて聞く
町内会の奴ではない
「申し遅れました。
私、良夫先輩の後輩で
神崎 忠と申します」
格好に似合わず
名刺をスマートに出す。
聞けば、某IT時代の
職場の部下。
今は、独立して社長業。
素晴らしい
エクセレント。
よっちゃん
自分の余暇のために
働いていたそうだ
ジャパニメーションの
ワールドワイド
長期休暇を1年取り
ジャパニメーションのメール仲間を
たずね歩く旅
そのために働く
海外に出るため働く
自分を大切にした働き方
しかしながら
優秀だからできること
なし