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祠の奥から

「こいつはな、守り神なんだ」


町の外れにある祠に手を合わせて、俺は丸越に教えた。もうどれくらい経つかわからない昔、この国を時の将軍とともに立て直さんとした……荒ぶる神だったらしい、と教えているのに丸越が震えあがっている。早く逃げよう!ってお前には何が見えているんだ。こっちのセリフだと怒る丸越が泣いて頼んでくるから、またいつか、ともう一礼して今日は帰ることにした。今はもういない守り神は、今もきっちり見ているのだろう。この国を。俺が見られているとは、さすがに思っていないが。


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