EP4 闘いの末に…
何故かは分からないが、ハイルからは家族のような安心感がある。とても信頼出来る。心が暖かい人間だ。
家族の顔が見て見たいなあ。
ハイル「どうした?そんな緩い顔して。今から戦いにいくんだぞ?」
マイト「あ、ああ 考え事してたんだ。ごめん。」
ハイル「そうか。そろそろ鉱山だ。気、引き締めろよ。」
鉱山にて
サイラ「あら。思ったより坊ちゃん達、早かったわね」
サイラ「さあ、どう食べてあげようかしら。」
サイラ「手始めに、貴方が行きなさい。イリス」
イリス「は、はい……わかりました…」
ようやく辿り着いた。疲労もあって、少し体力不足なのかもしれない。ただ、言い訳はダメだ。
ハイル「俺が先陣を切る。お前は集団戦に向いてなさすぎる。」
…実際そうだ。ハイルの集団戦の能力の高さは頭抜けていると思う。僕にはできない事だ。
ハイル「ほら、突っ立ってないで構えろ。行くぞ。」
マイト「ハイル、待って 誰かいる」
イリス「こ、こんにちは」
ハイル「? なんだあんた」
イリス「じゃなかった! あんた達をやっつけにきたのよ!」
マイト「………とてもそうは見えないが」
イリス「うるさいうるさい!!」
イリス「秘技! フレイムヘブン!」
ハイル「危ない!避けろ!」
マイト「…避けるまでもない、当てる気がないんだから。あんた、サイラに言われてきたんだな。殺気がない。ここから出ていった方がいい。死ぬぞ。」
イリス「………ひゃい」
イリスは走っていった。また会うかもしれない。
やっぱり道中は魔物だらけだ。人と思うと、やるせなさは勝つが。仕方ない…
前よりは数段楽に奥までこれた。実力が上がったのだろうか。ハイルもいてくれて、気持ちに余裕が出来たのだろうか。
ハイル「集団戦、慣れてきたな。ソルトじゃ敵なしだったのに、集団戦は下手だからびっくりしてたよ。あそこじゃ練習しないのか?」
マイト「うーん…実戦形式は一体一しかなかったから。街を出て、学んでるんだ。ハイルを見ながら。」
ハイル「よくそれでタイナを倒したな。…余程センスがいいんだな。羨ましい。」
マイト「何でタイナを知ってるんだ? もしかして…」
ハイル「ああ、そのもしかしてだ。タイナってのは複数いるらしい。そして、一人前の証、らしい。…心を痛まさせる要因とも言われているが。5人、って言ってただろう?余程腕の立つ奴が5人いるって意味だ。一人前の剣士なんか、ざらにいる。もしかしたら敵対されるかもな。」
マイト「…どうして敵対されるんだ。街、国、世界を平和にさせる為に一人前にさせるんだろ?おかしいじゃないか」
ハイル「………剣士狩り、ってのがいるらしい。俺らなんかよりよっぽど強い。二人がかりですら、意味がないらしいな。だから、こんな所でつまづいちゃいけないんだよ。」
マイト「でもハイル、ならボルケーノサンドはその人達がどうにか出来たんじゃ…」
ハイル「どうやら産まれてくる場所がバラバラ、らしい。そして俺達特殊な子………忌み子は街の問題を解決しなくちゃいけない、らしい。たまたまボルケーノサンドの問題を解決する、その役割が、俺らなだけだ。一説によると、剣士狩りは忌み子じゃなく、呪われているらしいが。」
マイト「…なるほど。ありがとう。よく分かった。けど何で僕が忌み子なのを知ってるんだ?」
ハイル「……特殊な剣だからだ。おかしいか?」
マイト「いや、最初の戦闘じゃ分からないはずだ。ハイル………なにか知ってるの?」
ハイル「…………今はそんな事はいいだろう。先に進もう。早く終わらせよう。」
間が、長かった。僕の事を何か知っているようだった。それと、気付いたことがある。最初はハイルの考えが見えていたけど、見えなくなった。何故だろう。
何か、引っかかるものがある。もっと…知らなきゃいけない何かが… 考えても仕方ないか。今は、ヘブマグを倒すことだけを考えよう。
何か人影が見えた………あれは!!
サイラ「やあ、坊や 懲りずにまた来たのね。哀れな忌み子…ふふ ここで死ぬのも運命なのかもね。」
ハイル「……マイト、ここは任せた。俺は奥に行く。一体一なら、負けないだろう?」
マイト「………分かった。すぐ追いつくよ。」
サイラ「坊やの余裕、どこまで続くかしら?」
マイト「必ずお前を殺す。二度はない。」
サイラ「あら、最初は優しかったのにねえ。色々気づいちゃったかしら。」
マイト「人の皮を被った化け物め!許さない!」
サイラ「酷いこと言うのねえ。貴方みたいな美青年なら喜んで食べちゃうのに ふふ、色んな意味でね」
薄汚い笑みを浮かべながら、サイラは言った。
気持ちが悪い。早くハイルのとこへ行こう。
マイト「すぐ楽にしてやる。紫電御剣流…天破!」
サイラ「当たるわけないじゃない、坊や 貴方は弱いのよ…そう、貴方は弱いの。」
な、なんだ…?当たったのに…何を言ってるんだ?
サイラ「貴方はもう罠にかかっているの。幻覚よ。当たっていると勘違いしているの。そのまま溶岩で死ぬのよ。本当に哀れな忌み子。」
………ハイルにまだ礼を出来ていない、死なない…
…? 右目が…何だこの感覚…全て透けて見える…
殺せる…殺す…こんなヤツ許しちゃいけない…
マイト「覚めた。お前はもう死ぬ。あの子供達と同じ様に苦しめてやる。罪の重さを知れ。」
サイラ「…目覚めさせてしまったのね。あの予言は、本当だったのね…ああ、忌み子よ。貴方は忌み子。…世界は貴方を、貴方たちを欲しているわ。ふふ、嬉しいのよ。やっと死ねるもの。最後に言ってあげるわ。私はハイルの姉よ。ハイルは分からなかったけれど。苦しかったの。さようなら。ハイルも貴方も…義弟の貴方も、幸せになるのよ。そして、ヘブマグはハイルの……… 」
最後の方は、よく聞こえなかった。忌み子がなんとかって言ってたけど…とりあえず、ハイルの元へ向かおう。
ハイル「やっと来たか。もう終わりそうだ。」
ヘブマグ「…サイラが死んだのだな。いい女だった。」
ハイル「………………………………そうか、良かった…」
ハイルは何故か泣いていた。胸のクロスのペンダントを握りしめて。
ハイル「…泣いている場合じゃない。お前は許さない。」
ヘブマグ「………よく育ったな。だが、まだまだ足りんのだ。ボルケーノはもういい。まだ我は本気の半分すら出していないのだ、ハイル。」
ハイル「…? 知ったこっちゃねえ!!恨みだ!!!
奥義!双龍天破!」
ヘブマグ「その技か…」
ヘブマグ「ふん。中々楽しめたぞ。ハイル。」
ハイル「なに?!」
ヘブマグ「さらばだ。また、先の地で決着をつけてやろう。」
ハイル「ま、待て!!」
ヘブマグはなにやら特別な力を使って消えた。追えなかった。だが、問題は多分、解決した。…罪悪感はあるが、仕方ない。この鉱石は、破壊するしかない。
ハイル「………」
マイト「…追えなかった。僕もハイルもまだ勝てないんだろう。」
ハイル「…………ああ。」
だが、そう言ったハイルの刀、両腕には見た事がない模様がついていた。
ハイル「? 何だ…この力」
マイト「…多分忌み子には、ストレスや悲しみが重なると、特別な力が身に付くんだろう。現に僕もそうだ。戦闘中に、右目が前より使えるんだ。普段は普通に両眼使っているんだけど、戦闘中は余計な事を考えたくないから、使ってなかったんだ。けど、要らない情報を遮断しながら、使えるようになった。そう。わかりやすく言うなら、常に先読み出来る。」
ハイル「…なるほど。確かにその説は信用出来る。多分俺の力は、単純に身体強化。そして…カウンターだ。身体が勝手に反射する。並の相手にはまず負けなくなった気が、する。はは、調子乗りすぎかな。」
マイト「…僕達忌み子は嫌われる存在。それと同時に…多分必要な存在。」
ハイル「そうだな、多分そうだ。」
そうして僕達はボルケーノ鉱山を後にした。
おばさん達に挨拶をして、アイスダイヤに向かう。
ボルケーノは熱かった…それと同時に…冷たい、凍てつくような国だった。




