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剣聖と心  作者: 黒白
3/8

EP3 熱さの訳と、意味と。

あーあ…こんだけ疲れてんのに主まで来るのか…

どうしよう、ちょっと苦しいな。もう握る力もそんなにないのに。

ああ、そうだ、ベーコン。食べたら元気になるんだよな。ハイルにも分けよう。

マイト「ハイル、これ。今よりはマシになる。」

ハイル「あ、ああ。ありがとう。けど、中々キツイぜ、こりゃ…」

鉱山の主はけたけた笑いながら、貴重鉱石を食い散らかしている。ジロっとこっちを見ながら。

名乗ってきた。

ヘブマグ「我が名はヘブマグ。この鉱山を統治し、ボルケーノの王である。貴様らは我が眷属をよくもやってくれたな。だが、その様子じゃ眷属如きに手こずったみたいだな。何とも情けない。」

ハイル「ほざけ!お前はここの人達を何と思っているんだ!!!!」

マイト「ハイル、どうしたんだ なにか知っているのか?」

ハイル「………ここの貴重鉱石は人だ。それも………全部子供だ。俺の親戚は全員ヘブマグに………!」

マイト「なんだって?! 何で子供を……」

ヘブマグ「理由を教えてやろう。若く、そして可愛いらしいのだ。我には子がおらぬ。だからこうして我が糧にしているのだ。ああ…そのハイルとやらの顔は見た事があるなあと思っていたのだ。似たような顔の子を食ったのでな。新しく産まれてきた、赤子も。」

マイト「貴様………なんて事を!!!」

ヘブマグ「ほう。これは怖い。だが、今の貴様らを喰う気は無い。」

マイト「なにを!!!」

ヘブマグ「どうしてこの国が異常な程熱いか教えてやろう。貴重鉱石に含まれている、ガスだ。我が力だ。いわば、洗脳のようなもの。この鉱石を欲しがり、熱くなるのだ。街を見てきたのだろう? 鉱山をどうにかしてくれって、頼まれたのだろう? 貴様らは言ってしまえば、薬物中毒者を助け、子供を差し出している大人達を助けているのだ。何故差し出すか分かるか? この鉱石は、他の街、国に売られているのだ。 だから街に子供はいなかっただろう?」

マイト「ああ………確かに、子供なんかいなかった。…美青年と言われた理由が、わかった。あのマグボルも、俺達を差し出そうとしたわけか。」

ヘブマグ「ご名答。我は本当の意味で、ボルケーノを統治しているのだ。」

ヘブマグ「おっと。喋りすぎたな。さらばだ。」

マイト「おい!待て!」

ハイル「逃がすか!!」

ヘブマグ「逃げないと、この地割れで命を落とすが、それでもいいのか?」

マイト「ぐっ……」

仕方ない。逃げるしかない。強気だったが、こんな体じゃ無理だ。

マイト「ハイル、無理だ、逃げるしかない」

ハイル「………くそっ!!!」

どうにか振り切ったが……あの魔物達ももしかして…

ボルケーノサンドに帰って、気づいたことがある。フレイズがいないのだ。朝、話していた、フレイズが。

…そういう事なのだろう。悲しいが、仕方ない。

ハイル「どうすんだ。時間がないぞ。」

マイト「そんな事言ったって……」

ハイル「ああ!そうかい!!あんなこと言われてもそれかよ!弱虫だな!」

マイト「こうするしかないだろ!!!死にたいのか!!体も癒えてないんだ!!!」

………あれ、何でこんなに熱く……

ハイル「クソがっ!!!もういい!!!明日俺は行く!!!」

マイト「好きにしろ!!!僕には関係ない!!!」

一方、ボルケーノ鉱山にて。

サイラ「ヘブマグ様。上手いこと行きましたわね」

ヘブマグ「ふはははははっ 愉快、愉快。あの時鉱石を少し吸わせたかいがある。しかし貴様もよくやりおる。あの時の接触で、盗聴器をつけるとは。」

サイラ「マヌケなんですよ、あの坊や。男の子ですからねえ。あ、ただハイルですっけ?近づきすらしなかったですねえ。」

ヘブマグ「その様だな。ハイルの声はほとんど分からぬ。」

サイラ「さ、早くあの子達、食べちゃいましょ。」

ボルケーノサンドにて

ハイル「起きろよ!ああは言ったが、お前も来い!!」

マイト「うるさいなあ!!!最初からそう言ったらいいだろう!!!」

ハイルは熱い性格だが………僕はいつもより荒いような………頭がズキズキする……

ハイル「それでいいんだ。ほら、おにぎり?ってやつと、カリカリのベーコンだ。これでマシにはなるだろ」

マイト「ハイル、おにぎり知らないのか?誰から貰った?」

ハイル「ん?ああ、おばさんだ。なんか、くれたんで ………俺、スラムの出身なんだ。だから、あまり学とかがなくて。すまん。」

マイト「あ、ああ。悪かった。言いすぎた。悪い。」

ハイル「いや、こっちこそすまん。昨日のベーコンで回復したから、二人共で丸ごと食べたらちゃんと戦えるかなって…お前から金は借りちまったけど…すまん…」

マイト「あ、ああ。いいんだ。ハイルがいないと俺、帰れなかったかもしれたいなら。気にしないでくれ。ハイルといれて、元気になったから。」

ハイル「………お前いい男だな。」

マイト「? とりあえず、行こう。」

ボルケーノ鉱山への道中、マグボルが話しかけてきた。

マグボル「これはこれは、美剣士お二方。報酬は渡しますからね。」

ハイル「………要らん。受け取らん。」

マイト「ハイル………」

目を使った。………まあ、僕も同じ考えだ。受け取る気持ちには、なれない。

マグボル「ふむ。わかりました。では、お気をつけて。」

マグボルの話し方も変だ… この街は、僕達が早くどうにかしないといけない。

早く、ヘブマグを倒さなくちゃいけない。

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