EP3 熱さの訳と、意味と。
あーあ…こんだけ疲れてんのに主まで来るのか…
どうしよう、ちょっと苦しいな。もう握る力もそんなにないのに。
ああ、そうだ、ベーコン。食べたら元気になるんだよな。ハイルにも分けよう。
マイト「ハイル、これ。今よりはマシになる。」
ハイル「あ、ああ。ありがとう。けど、中々キツイぜ、こりゃ…」
鉱山の主はけたけた笑いながら、貴重鉱石を食い散らかしている。ジロっとこっちを見ながら。
名乗ってきた。
ヘブマグ「我が名はヘブマグ。この鉱山を統治し、ボルケーノの王である。貴様らは我が眷属をよくもやってくれたな。だが、その様子じゃ眷属如きに手こずったみたいだな。何とも情けない。」
ハイル「ほざけ!お前はここの人達を何と思っているんだ!!!!」
マイト「ハイル、どうしたんだ なにか知っているのか?」
ハイル「………ここの貴重鉱石は人だ。それも………全部子供だ。俺の親戚は全員ヘブマグに………!」
マイト「なんだって?! 何で子供を……」
ヘブマグ「理由を教えてやろう。若く、そして可愛いらしいのだ。我には子がおらぬ。だからこうして我が糧にしているのだ。ああ…そのハイルとやらの顔は見た事があるなあと思っていたのだ。似たような顔の子を食ったのでな。新しく産まれてきた、赤子も。」
マイト「貴様………なんて事を!!!」
ヘブマグ「ほう。これは怖い。だが、今の貴様らを喰う気は無い。」
マイト「なにを!!!」
ヘブマグ「どうしてこの国が異常な程熱いか教えてやろう。貴重鉱石に含まれている、ガスだ。我が力だ。いわば、洗脳のようなもの。この鉱石を欲しがり、熱くなるのだ。街を見てきたのだろう? 鉱山をどうにかしてくれって、頼まれたのだろう? 貴様らは言ってしまえば、薬物中毒者を助け、子供を差し出している大人達を助けているのだ。何故差し出すか分かるか? この鉱石は、他の街、国に売られているのだ。 だから街に子供はいなかっただろう?」
マイト「ああ………確かに、子供なんかいなかった。…美青年と言われた理由が、わかった。あのマグボルも、俺達を差し出そうとしたわけか。」
ヘブマグ「ご名答。我は本当の意味で、ボルケーノを統治しているのだ。」
ヘブマグ「おっと。喋りすぎたな。さらばだ。」
マイト「おい!待て!」
ハイル「逃がすか!!」
ヘブマグ「逃げないと、この地割れで命を落とすが、それでもいいのか?」
マイト「ぐっ……」
仕方ない。逃げるしかない。強気だったが、こんな体じゃ無理だ。
マイト「ハイル、無理だ、逃げるしかない」
ハイル「………くそっ!!!」
どうにか振り切ったが……あの魔物達ももしかして…
ボルケーノサンドに帰って、気づいたことがある。フレイズがいないのだ。朝、話していた、フレイズが。
…そういう事なのだろう。悲しいが、仕方ない。
ハイル「どうすんだ。時間がないぞ。」
マイト「そんな事言ったって……」
ハイル「ああ!そうかい!!あんなこと言われてもそれかよ!弱虫だな!」
マイト「こうするしかないだろ!!!死にたいのか!!体も癒えてないんだ!!!」
………あれ、何でこんなに熱く……
ハイル「クソがっ!!!もういい!!!明日俺は行く!!!」
マイト「好きにしろ!!!僕には関係ない!!!」
一方、ボルケーノ鉱山にて。
サイラ「ヘブマグ様。上手いこと行きましたわね」
ヘブマグ「ふはははははっ 愉快、愉快。あの時鉱石を少し吸わせたかいがある。しかし貴様もよくやりおる。あの時の接触で、盗聴器をつけるとは。」
サイラ「マヌケなんですよ、あの坊や。男の子ですからねえ。あ、ただハイルですっけ?近づきすらしなかったですねえ。」
ヘブマグ「その様だな。ハイルの声はほとんど分からぬ。」
サイラ「さ、早くあの子達、食べちゃいましょ。」
ボルケーノサンドにて
ハイル「起きろよ!ああは言ったが、お前も来い!!」
マイト「うるさいなあ!!!最初からそう言ったらいいだろう!!!」
ハイルは熱い性格だが………僕はいつもより荒いような………頭がズキズキする……
ハイル「それでいいんだ。ほら、おにぎり?ってやつと、カリカリのベーコンだ。これでマシにはなるだろ」
マイト「ハイル、おにぎり知らないのか?誰から貰った?」
ハイル「ん?ああ、おばさんだ。なんか、くれたんで ………俺、スラムの出身なんだ。だから、あまり学とかがなくて。すまん。」
マイト「あ、ああ。悪かった。言いすぎた。悪い。」
ハイル「いや、こっちこそすまん。昨日のベーコンで回復したから、二人共で丸ごと食べたらちゃんと戦えるかなって…お前から金は借りちまったけど…すまん…」
マイト「あ、ああ。いいんだ。ハイルがいないと俺、帰れなかったかもしれたいなら。気にしないでくれ。ハイルといれて、元気になったから。」
ハイル「………お前いい男だな。」
マイト「? とりあえず、行こう。」
ボルケーノ鉱山への道中、マグボルが話しかけてきた。
マグボル「これはこれは、美剣士お二方。報酬は渡しますからね。」
ハイル「………要らん。受け取らん。」
マイト「ハイル………」
目を使った。………まあ、僕も同じ考えだ。受け取る気持ちには、なれない。
マグボル「ふむ。わかりました。では、お気をつけて。」
マグボルの話し方も変だ… この街は、僕達が早くどうにかしないといけない。
早く、ヘブマグを倒さなくちゃいけない。




