1-2 神様
突然の神様登場である。
なんかめちゃくちゃ威厳がある。
そしてめちゃくちゃ怒ってるな。
『どうするつもりじゃ!』
「ひいいい!/ ごめんなさい!」
『ワシらがどれほど心配したか!』
「ごめんなさい! /ごめん!」
『100年も行方不明になっておいて、いきなりこんなどえらい神を連れて戻るとは!』
おい、どえらい神って。
それにまだ半神だぞ。
てか、こんな凄そうな神様にとんでも扱いされるってやっぱりめちゃくちゃだったんだな。
『そのとおりじゃ! おぬしとんでもないぞ』
「げ、もしかして心読めるんですか?」
『当たり前じゃ! 誰だと思っておる!』
「あ、ご挨拶が遅れました。わたし獅子川 湘と申します。このたび半神になってしまいました」
『うむ、これはご丁寧に。ワシは創造神である』
「えー! 創造神!? もしかしてすごい神様なんじゃないですか?」
『まあな、神の神じゃな』
「すげえ! マジっすか! 最強神ですね! サイン欲しいなあ」
『そうか? いつでも書くぞっておい! 知っておるぞこれノリツッコミというやつじゃろ』
「創造神さまはお笑いがお好きで?」
『うむ。ときどき地上のテレビを覗いておる』
「なかなかノリツッコミはできませんよ。さすがですね」
『まあな、そこはそれ創造神じゃからなって何の話じゃあーーー!』
だめか。
『だめじゃあ!』
それにしてもノリツッコミはすごいな。
『そうか? ありがとう』
「あのー、よくわからないんですけど、聞く限りそもそもふたりが禁止地帯に入ったのは悪いことだと思います」
『うむ』
「そのことはふたりがこのあと詫びるとして。でもそのあとのことは不可抗力です。みなさんに心配をかけたことも反省してましたし、戻りたい一心でこうなったんです。私を助けるためでもありました。まさかこんなになるとは思ってなかったですし」
『うむ。だがのう』
「私はこの力を悪用するつもりなんて1ミリもありませんよ」
『それは心を読めばわかるよ。結果は責めるつもりはない。経緯がいかんのだ』
「私もその罪を被りましょう。3人で償いますからどうかお許しいただけませんか?」
木花と咲耶、半泣きである。
「私が彼女たちを愛してしまったのは罪ですか? 彼女たちがそれを受け入れたのも罪ですか?」
ふたり、号泣である。
なんかオレも言ってて泣けてきた。
だってふたりのこと運命的に好きだからな!
『おぬしは本当にできたやつじゃな。……ところで。先程からほのかに香るこれは何じゃろうか。気になって話にならんぞ』
「あ! カレー!……よかった。焦げてない! どうですか? よろしかったら召し上がりませんか?」
『よいのか? これはなんともいい香りじゃ。人間の食べ物をいただくのは初めてじゃな。ぜひ頼むよ』
「オッケーです! 楽しみにしててくださいよ! 木花、咲耶、手伝え!」
「はい!/ おう!」
私は急いで準備に動く。
『待て。ふたりは名をもらったのか!』
「はい/もらったぞ」
『おぬしたち、何か起きたか?』
「白い光に包まれたぞ/なんだか不思議な感じだったよ」
『ふむ。絆を結べたのだな。……それぞれ名前をもらえたということは、先に秘密を教えたのか?』
「違う/最初からふたつで迷ってた」
「おーい! 木花! 咲那! 何してるんだー! これ持っていってくれー!」
「「はーい」」
ひとり残った創造神は少し考え込む。
『そうか………。この巡り合いとこの奇跡にはなにか大きな意味があるのかもしれんな』
―――――――
『ぐわぁああ! な、なんだこれは!!!!』
「おいしい!!/美味すぎる!!」
どや!
創造神と女神を叫ばせたぜ!
「獅子流、冬でも夏野菜カレーでごさいます」
『なんだこれは! 人間はこんなものを食べているのか!』
「創造神さま。お言葉ではございますが……こんなものではごさいません」
『なんだとーーー! それは誠か!』
「事実、このカレーはお試し版ですよ。本来なら絶対に入れる食材も足りていませんしね」
『こ、このカレーですら入門編ということか』
「そこでご相談ではごさいますが、木花と咲耶をお許しいただけるならこの世界のあらゆる料理をお届けいたしますよ」
『許す。もう許した。許してなかったか?』
よし!
「でも創造神さまってどこにいるんですか? 届けるの大変だな」
『人間界からは来れんよ。ワシももうすぐ戻らねばならん』
「え! どうすれば?」
『収納持ちじゃろ。共有をかけておこう』
「なるほど! なんか便利そう!」
『ワシの宝具も入っておるからな。お主になら言えば貸してやるから勝手に持っていくなよ』
「当たり前ですよ。でも普通に間違うかもなあ」
『なら管理の精霊をつけよう。ナビィ!』
「はーい!ナビィだよ!」
「「「おお!」」」
『ナビィは昔、人間と暮らしておった精霊じゃ。慣れておるから安心せい』
「ナビィ! よろしくな!」
『わあ、なんか気持ちいい人だね。私の大切な人にオーラが似てるなあ』
「へえ! ナビィは彼氏持ちか!」
『内緒! これからよろしくね!』
ナビィは収納魔法を使う時に出てくる魔法袋の管理人だそうだ。
魔法を発現する魔力の持ち主か、特別な許可をしない限りはこの世界の人間には見えないし声も聞こえないとのこと。
「うん、なんとなく理解したよ」
「これからよろしくね!」
創造神さまには残りのカレーとごはんをタッパーにいれてプレゼントした。
小躍りして帰っていく創造神さまはかわいかった。
いかん、不敬だな。気をつけよう。
妖精ナビィが登場しました。
前作にも登場したナビゲーターです。
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