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0-4 ふたり



女神はふたりでひとりだった。

めちゃくちゃ驚いた。


おとなしく、私をショウと呼ぶのが木花。

気が強くて、私をシシと呼ぶのが咲耶。


ふたりの名前が決まった。


その時、私たちを白い光が包み込んだ。


しばらくしたらそれは消えたけど、ふたりも何が起きたのかわからないという。

まあ名前が決まったお祝いとかかな?


とにかく。

言われてみれば、なんか話し口調がヘンだったかもしれない。

でもでも!

それは女神なんていう超越者ならではのことなのかと思ってた。


「うーん。そうだったのか」


「そうだ/そうなの」


「なんでそうなったの?」


「まだ話せないかな/ああ、まだ話せない」


「そっか。わかった。いつか聞かせてくれたらいいよ」


「うん/ああ」


「あのさ、まとめて話すのやめようか」


「なんでだ?/なんで?」  


「あー、まあいいか。ほかには女神だってバレなきゃいいだけだ。話し口調にちょっとクセがあるだけだな」


「だろ/だね」  


なんで気づかなかったし。

会話がずっとふたり分じゃんか。


っていうか。

不思議となんも気にならないな。

これが自然なことだと受け止められる。


この人を2倍好きになれるんだな!

めちゃくちゃ幸せなことじゃん!


「2倍好きになった」


「!/!」


木花と咲那は驚いたあと嬉しそうにオレの手を繋いできた。


ん、でもそうなると夜がなかなかややこしい。

今までは知らなかったから普通に愛し合ってきたけど、そうとわかるとなんか複雑だな。


ふたりとしてるってことだろ。


……いや楽しいか?

楽しいな。

最高じゃん!


「なんかヘンなこと考えてるだろシシ/恥ずかしいよ、ショウ……」


「いや、ごめん。なんでもない。それよりなんだ、あ、譲渡だよ、譲渡」


「本当にまだいけそうなのか? /大丈夫かな」


「ん、なんかまだ全然平気。やってみようぜ」


覚えるにも難易度があるらしく、ふたりの勧めで譲渡の順番はこうなった。


【予知】

【収納】

【コピー】

【クリエイト】

【転移】

【神眼】

【時間停止】


抱き合って能力を譲渡してもらう。


【予知】

とんでもなくカンが働くらしい。

今は何も起きないから確かめようがないけれど。


【収納】

テストは楽しかった。

迷わず女神が着ていた服を収納したら怒られた。

うむ。便利だな。


【コピー】

取り上げた洋服(2回目)をたくさんコピーできた。

なんと携帯もコピーできた。

電波ないから使えるかは確かめられないけどね。


【クリエイト】

残念ながら「無」からは作れなかった。

でも洋服ふたつから新しい服は作れた。

素材とかは関係なく、全然別の服も作れたので、メイド服やアオザイを作って着せることにした。

エロい目線だとわかってないので喜んでた。


【神眼】

これはすごかった。

透視が。いや違う。

すごかったけど。透視。


いろんなことを教えてくれるのだ。

この世界からの脱出にはやはり【転移】が使えるとわかった。

ここは特殊な空間らしいが、魔法で時空を切り裂けば転移が有効らしい。

さっき少し斬れたからな。

このあと【転移】を覚えられたら脱出できることは確定だ。


【転移】

取れた! これで脱出はほぼ確!

女神ふたりは喜ぶ前に少し呆れている。

器がおかしいとのことだ。

自分の許容をとっくに超えてるらしい。

でも取れたのだから仕方ない。


【時間停止】もついでに試したら取れた。


「ショウはすごいなあ/シシは本当に人間か?」


「いやたぶんふたりの方だと思うよ。ふたり分ってことで足し算なんじゃないのか?」


「そんなことあるのかなあ/ないだろ」


「他の人に譲渡したことあるのか?」


「「ない」」


「ならそれだよ。あとは指差しじゃなく直接触れ合ってっていうのもあるんじゃないのか?」


「確かにな。外ならこんなことしないな/中にふたりっていうのも確かにだよね。足し算どころかかけ算なのかも」


「あとはあのなんだ。そのあれじゃん。頻繁に繋がってるからっていうのもある気がしないか?」


「……………/まあ、な」


「あれ、めちゃくちゃ神気が循環してる感じするんだよね」


「…………するね/するな」


「そういうことだろ。とりあえず脱出してみるか! なんかコツとかあるのかな」


「行ったことがある場所なら飛べるはずだ/イメージが大事だからね」


よし、イメージな。

とりあえずは自宅だ。


まずは風魔法。

神力を練って練って練って。

いけーー!


空間が大きく歪んだどころで "ふたり" を抱えて転移!


「オレの家!」


無事に飛べた。

ここは間違いなくオレの家。


ついに私たちは次元の落とし穴から脱出したのであった。

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