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0-2 女神



自称・神の女性……いや、本物だろうな。

女神でいいのかな。


「そういえば名前は?」


「特にないわね。ないな」


「なら、女神でいいのかな?」


「そんな感じよ。好きに呼べばいい」


「オレは獅子川 湘だよ」


「ショウね。いや、シシだな」


「女神さん、何の力を使えばここから出られるのかな」


「とりあえずいろいろ渡してみるね。試してみるしかないだろうな」


「ん、わかった」


「ちょっと体質変わるけど。別にいいよな」


「仕方ないよ。……ところであなたはなんでここにいるの?」


「……落ちたのよ。聞くなよ」


「オレもそうだけど。神様も落ちるのか」


「やめて。うるさい!」


この件にはあまり触れて欲しくないようだ。

そうだよな。神は落ちないよなあ。

なんかあったんだろうな。


それにしても……綺麗な人だな。

なんか中身も透き通ってるような。

なんだろうこの感じは。


と、そこにそんなピュアな気持ちをぶち壊すひと言が。


「あの……。とりあえず服脱いで」


「……いきなり?」


「ですよね。もういいから早く」


「積極的なのは嫌いじゃないけど。むしろ好きだけど。もう少し女神さんのことを知ってからにしたいというか」


「なっなっ! バカ違うぞ」


女神は顔を真っ赤にしている。

なんかかわいいな。

もとが女神だからいちいちかわいいの破壊力がすごい。


「能力譲渡の儀式なのよ。このままじゃ渡せないからな」


「指さしてホイって感じじゃないの?」


「普通ならできるんだけどね。ここじゃ直接渡すしかないな」


直接が何を指すのかがわからないが仕方ないか。 

女神がいうのだからそうなのだろう。


とりあえず全裸になる。どや。


あ、女神様なんか赤くなってる。

ますますかわいいぞ。

どうしよう。大好きが止まらない。


「目を閉じてください。動くなよ」


しばらくするとふんわりとしたいい匂いがして、そのあとすぐ柔らかな感触が身体を包む。


驚いて目を開くと女神も服を脱いで私に抱きついている。


「やっぱりするんじゃん。幸せかよ。もう死にたい」


「違うから! 違うし!」


まあ抱きつかれているのでこちらも遠慮なく腕を回して抱いてみる。

なんせもう大好きですから。


「そのままでね。動くなよ」


恥ずかしそうな女神の顔がまたたまらなく愛しい。

なんでこんなことにと思いつつ、しっかりとこの状況に感謝していた。


しばらくするとお互いの身体が熱くなり、何かがシンクロしていく感じがした。


「なんかきた」


「うまくいった! やっぱりセンスが合ったか!」


女神は私の両手を取る。

そしてぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。


……跳ねているな。いろいろと。

ほほう。なかなか。

感無量です。神様ありがとう。

あ、神はこの人か。


視線に気づいた女神は慌てて叫ぶ。


「やだ後ろ向いて! 服着ろ!」


「嫌だ」


「な、なんで? ダメだ!」


「別にふたりきりだし。てかもう好きだし。こんなのは初めてだ」


「女神相手にその気になっちゃだめです。まあ悪い気はしないけど……勇気あるなおまえ」


天罰をくだされても困る。

仕方なく服を着ることにした。


女神もいそいそ服を着ている。


生着替えはしっかり目に収めた。

ありがとうございます。

一生忘れません。


「いまシンクロしたのは私の神気よ。どうだ?」


「神気?」


「そう、神力とも言う。シンクロできるのは稀だけど。やっぱりセンスが合ったね」


「センス……SENSE ?」


「そう。SENSEよ。つながりができたわ。これで私の力を引き出して使えるようになるぞ」


「ならいろいろやってみるか」


「まだ無理よ。そう、入り口が開いただけだ」


「そうなのか」


「時間がかかるのよ。まずは神気が身体になじむのを待つことだ」


「なんか身体によさそうだな」


「もう若返ってるぞ。ちょっと好みかも」


「え、そんなことあるの? ラッキーだな」


「身体は最盛期になるだろう。素敵ですよ」


「おー、それはありがたい。で、力が使えるようになるのはどれくらいかかるの?」


「人によるのよ。1年くらいだな」


「えええ! そんなに待てないよ。なんか抜け道ないの?」


「運動とか……。ランニング、筋トレだ」


「よっしゃ任せとけ! ほかには?」


「………。まめに抱き合うことだな」


「ほらみろ! 服なんて着てるだけ無駄じゃん!」


「やだ……。まあそのほうが合理的だな」



その後からハードなトレーニングとハグを繰り返し、寝る時もくっつくことにした。


身体が馴染めばいいのだ。

すぐに仲良しになれたのだった。


いろんな意味で。

全力で大好きだという気持ちを伝えたら、ちゃんと伝わった。


幸せだった。

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