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2-6 代表無双



今日の仕上げはミニゲームとなった。

10分流しで組み合わせを変えながら4ゲームを行うという。


流しというのはファールなどで笛が鳴っても時間を止めずにそのまま流しっぱなしで行う形式のこと。


まあラフな実戦っていうところか。


Aチーム

戸頭(167)PG

臣永(188)SG

鉢山(203)PF

渡山(206)SF

ホーキンス(208)C/PF


馬地(196)SF


Bチーム

川村(172)PG

比江(191)SG

ジェームズ(203)SF

吉田(196)SF/PF

カーン(211)C


獅子川(183)


通常ならスターティングを中心にしたAチームに対して、控えのBチームというのがスタンダードだ。

もちろん入れ替えは起こり得るし、あくまで現時点でのことだけど。


けど、今日は私の応援参加という企画なのでAチームという形は残しつつ、バランスが取れるよう少しアレンジしている感じかな。


まずNBAでも活躍している鉢山さんと渡山さんは不動の軸である。


PGは戸頭さんと川村さんが競っているが、経験でスタートには戸頭さんが出ることが多い。


で、私だが。

フィジカルに劣る(本当は無敵だけど)と思われている私はプレースタイルでいえばSFというイメージを持たれていると思われる。

バスケ漫画でいうところならナガレカワ、点を獲りにきたツンツン頭だな。

うん、おこがましいね。わかってるんだ。

でもわかりやすいよね?


だが(さっき手に入れたばかりだけど)そこにSGという選択肢ができた。


ジンジン+ナガレカワというのがイメージか。

あれ? もしそうなれるなら無敵じゃね?


だとして私とマッチアップするのは……同じSFになる馬地さんかな。

渡山さんもSFだけどガタイもあるしPF寄りのポジションだからマークにはつかないだろうな。

SGとしてなら臣永さんか。


うん、日本代表のあの馬地さんとあの臣永さんね。


んなもん勝てるか!


―――――――


勝てた。


途中からゲームに入った私は、いきなり3pを3本連続で決め、マークがキツくなったところでドライブイン主体の攻めにしてダンク2本を含む3本のFGを決めた。

15得点(3p3/3)、2スチール、3アシスト、2リバウンド。


途中で下がった鉢山さんと渡山さんはベンチで笑い転げていた。


やり過ぎたかもしれない。

でも同じチームのPGの川村さんと気持ちいいくらいにハマりまくったんだよな。


あー楽しかった!


次は休んで、同じチームで3ゲーム目に入る。

20得点(3p4/4)、3スチール、3アシスト、5リバウンド。


最終ゲームはAチームに入った。

マークがキツくなった分、鉢山さん、ホーキンスさんへのパスが通りまくった。

15得点(3p3/3)、4スチール、6アシスト、5リバウンド。


うん、無双だな。

やりすぎた。


応援企画なのにこんなに目立ってどうするんだ。

代表が弱いと思われてしまうぞ。


木花と咲那は大喜び。最後は踊ってたぞ。

かわいいからあまり目立たないようにね。


でもめちゃくちゃ楽しかった。

みんなのやりたいことがなんとなく伝わる。

予知は切っているからこれは以心伝心というやつかな。

ずっとゾーンに入りっぱなしみたいだった!


こんなバスケもあるんだな。


―――――――


夕飯は大いに盛り上がった。

テレビが入ってるというのもあるかもしれないけれど、お酒抜きでみんなひたすら明るい。


いきなりタレントが乱入してきて面白くないと思う人もいると思ったけど、そんな人はいなかった。


渡山さんと鉢山さんの言葉が印象的だった。


「日本のバスケが世界に相手に通じるってことを伝えたい。そのためなら何だってやるんだよ」


「こんなに競技人口が多いのにようやくプロで少しは食える人が出てきた程度だ。激しいスポーツだけに選手生命も短い。だからこそステータスを上げたいよな」


ああ、この人たちはただのプロじゃないんだ。


背負ってるものがもっと崇高なものだ。

日の丸ってことだけじゃない。

バスケットボールそのものを背負ってるんだな。


その手伝いができるなら幸せなことだ。

もっとバスケの面白さを伝えるお手伝いをしよう。


あとでそのことを田城社長に伝えるんだ。

タレント獅子川の役目はきっとそこにある。


―――――――


夕食のあと、田城社長と升川さんにその想いを伝えた。


「タレントとしてこのチームを支えたいんです。応援キャラクター、ぜひもっと本気でやらせてもらえませんか?」


「えーと、あのな、さっきのミーティングでシシの代表入りが決まったみたいだぞ」


「いま田城社長にはスケジュール調整をお願いしたところです」


「……は?」


「なんか連盟は本気のテスト合宿だったらしい」


「いやいや! こんなの1日だけのまぐれですよ。ありえないでしょう。話題づくりじゃなかったんですか!?」


「そう聞いてたんだけどな。まあシシがそこまで本気でバスケを盛り上げたいなら願ってもないだろ」


「無理ですよ! あんなの応援してくれるタレントに合わせたパフォーマンスに過ぎませんよ」


「いや、シシくん。選手には本気のテストだと伝えてあったんだよ」


升川さんがとんでもないことを告白した。


「あの動画はそれだけのインパクトがあったよ。連盟は最初から本気だった。騙すようなやり方だったのは心から謝るよ。でもキミなら日本のバスケを変えてくれると信じてる」


「いや、そうは言っても……あの人たちは本気で人生賭けて、身体を張って日本バスケの未来を考えているんだ。オレなんかが気軽に立ち入っていい領域じゃない」


そこに代表メンバーが入ってくる。


「シシ、今の言葉で十分だよ」

 

「渡山さん」


「お前と一緒に戦いたい」


「鉢山さん」


「実力を示したんだ。なんの遠慮もしなくていい。シシが入れば確かにオレの出番は減るだろう。もしかしたら代表落ちするかもしれない。だけど日本が勝てるならオレはそれでいい」


「比江さん」


「オレもだよ。日本バスケのためなら控えでいい。疲れたら代わってやるよ」


「臣永さん」


そして最後に監督のジャクソンが語る。


『連盟としての落としどころはあったんだろう。それは否定しない。だがそんなことよりも大事なことがある。シシは私とプレーヤーの信頼を勝ち得たんだ。キミはもう仲間だ』


胸が震えた。

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