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2-2 学生になった



学校に通うことにした。


獅子川 湘 17歳

木花咲那 17歳


ホリ校と呼ばれる芸能人コースのある有名学校の2年生だ。


田城社長のツテが効いて、ふたりとも太陽プロ所属の現役タレントとして同じクラスになれた。


第一段階クリアだ。


あとは女神に近づく輩がいないか見張らねば!


といいつつ、休み時間になると私の席に来てまとわりついてくれるので当面は安心かな。


無謀なチャレンジャーが現れないことを願う。



昼休み。

今日は学校の雰囲気を味わうために学食にした。

飽きたらシシ特製お弁当にする予定だ。


「木花、咲那、なににする?」


「いろいろありすぎだ/わからないよー」


「なら食べたことがないものを3つ選ぼうか」


「「そうする!」」


木花はミートソースパスタ。

咲那はエビフライ定食。


私の分は木花が迷っていたカルボナーラと咲那が最後まで迷っていたカツ丼にする。


4つになってしまったが、ほとんどふたりに取られるから大丈夫だろう。


嬉しそうに食べるふたりを見ているとこっちまで嬉しくなる。

表情がコロコロ変わっておもしろい。


結局、私が注文したものは半分も食べられずにふたりの胃袋に収まった。

まあ想定通りだな。

全然足りないらしいが周りの目もあるので我慢してもらった。


「なあ、せっかくだから部活に入らないか?」

「なにそれ/なんだそれ」


「スポーツとか趣味の活動を放課後にやるんだよ。オレは中学高校(大学も)とバスケットボールっていう競技をしてたんだよ」


「シシと一緒ならいいぞ/ショウがいないと無理」


「バスケは男女別だからなあ。まあ止めとくか」



「すみません、ちょっといいですか?」


そこに隣で食べていた男子学生が声をかけてきた。


「オレ1年の田村っていいます。ちょっと聞こえちゃったんですけど、バスケやってたんですよね?」


「ああ。そうだよ」


「バスケの同好会に興味ないですか? 人数割と少なくて。もしよかったら検討してもらえませんか!?」


ふーん。なんか良い感じのオーラだ。

たぶんいい縁になるのかもな。


「へえ、そうなんだ。オレは獅子川、こっちは木花咲那だ。高校なのに同好会なんてあるんだな」


「あんま大きな声で言えない理由なんです」


田村くんは少し声を潜めて話す。


「部もあるんですよ。でもちょっと先輩がややこしくて。イビリが酷くて部を辞める人が増えちゃって。でもバスケがしたいから辞めたメンバーで同好会を作ったんです」


そこへ入り口の方でざわめきが起こる。


「うわ、来た! あれがバスケ部です。絡まれると面倒だから気をつけてください」


ガラの悪い連中がやってくる。

来るだけでザワつくってよっぽどだな。

とりあえず無視!


「なんだー、すげー美人がいるぞ!」

「うおーー! 本当だ!」


あー、そうきますか。

認識阻害かけとけばよかった。


「ねえねえ、見たことないよね、転校生?」

「何年生かな?」  

「なんか2年生にとんでもない美人が来たって聞いたな。キミだよね!」  


木花と咲那はガン無視である。


あーうざい。

でもまあこんだけかわいいから仕方ないな。


私はスッと立ち上がり彼らと女神の間に入る。


「なにお前」

「芸能コースか? 見たことあんな」

「調子のんなよな」

「邪魔。どけ」


「あー、コイツ、オレの彼女なんだよね。悪いけどけどそれくらいにしといてもらるかな?」


「あ? 引っ込んでろよ」 

「彼氏邪魔ー」 

「どけ」


身体を強く押されたがびくともしない。


「ん? なんだこいつ」


さらに両手で強く押そうとして逆にひっくり返ってしまった。


ガシャーーン!


勝手に机をひっくり返して田村くんのラーメンを頭から被っていた。


「うわ、カッコ悪っ/哀れですね」


ウチの姫がトドメを刺す。


「テル、大丈夫か!」

「てめえなにしてくれてんだよ」


「いや、明らかになんもしてないよね」


そこへ田村くんが割って入る。


「先輩、すみません勘弁してください!」


「あー? てめえ同好会のやつだよな」

「ウチやめて同好会に作るとかどんな嫌味だよ」

「なめてんだろてめえ」   


田村くんは私に向かって小声でささやく。


「大丈夫です。彼女連れて行ってください!」  


あー、やっぱりなあ。

こいつは絶対にいいやつだ。

なかなかいないよな。

よし、友達になろう。


私は頭からラーメンを被ってるマヌケの前にしゃがみ込んで声を掛ける。


「なあ。オレなんかした?」


「……………」


「聞いてるよ? なんかした?」


「……し、してねえよ」


「だよねえ? なああんたらも聞いたよね? そっちが勝手に絡んできてすっ転んだだけだ」


「なんだてめえ」


私はスッと立ち上がり残りのメンバーを睨む。


「邪魔なのはあんたたちだ」


ほんの少し怒気を込めただけですっかり怯んだバスケ部は周りを見渡し、明らかに分が悪いと思ったらしく引き上げることにしたようだ。


「おい。テーブル片付けていけよ。あとラーメン弁償しろよ」


周囲から笑い声が漏れる。


彼らは悪態をつきながらそのまま学食を出ていった。


「庇ってくれてありがとうな。お礼にラーメンおごるよ」


周りのみんなでテーブルを片付けながらに田村くんに声を掛ける。


「大丈夫です。ほとんど食べ終わっててスーブしか残ってなかったんで」


「バスケ同好会、見学させてよ。練習はいつやってんの?」


「本当ですか! 週3しか体育館使えなくて、明日は練習日です。見学なんて言わずに少し体動かしていってください!」 


「わかった。軽く混ぜてもらおうかな」


私たちはバスケ同好会の練習に参加することにしたのだった。

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