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1-⑮ 新人俳優



事件は日本中を巻き込んだ大スキャンダルとなった。


結果は会見で伝えた通り。

白木社長と影田はすぐにマスコミにキャッチされて徹底追及されてついに事件の真相を告白した。


主犯は白木と影田だった。

そこにスキャダルを捏造して部数を稼ごうという越野が乗っかり事件を起こしたのだった。


証拠として採用するかしないか以前に、本人たちが自白をしたのであとはスムーズに進むのだろう。


犯人グループの5人は薬物所持をはじめとする多くの容疑で警察の取り調べを受けている。

週刊大波は廃刊となった。

白木プロも完全に終わった。


―――――――


今日はみんなで宮古島に来ている。

事件解決の打ち上げである。


ということで庭でバーベキューである。


なお、女神の水着は相手が誰でも見せたくないのでプールは禁止、ヒーターを切っているのでふたりも諦めている。


「みんな、ありがとう!」


「とんだ災難だったな」


「よかったね/スカッとしたぞ」


「結果的に卓司の株も前より上がったからな」 


「秘密を共有できる仲間が増えた♪」


「あとの問題はシシだな」


そう、元のバズり動画に加えて、会見場での俠気に溢れるバトルがさらに話題となり、いま世間は空前のシシブームなのである。  


シシという存在が公的に世に出たことはありがたいのだ。

見た目を隠し続けるのは正直キツい。

だが、ここまで派手に日本中に知られてしまうのも想定外だった。


とりあえず設定して公表したからには太陽プロのシシとして活動はしなければならない。


田城社長も、いつまでも研修中で押し通せないしもう本当にデビューしてもいいんじゃないかと言い始めた。


「なんか売れそうだしな。やってみろよ」


「そうだよもったいない。デビュー前からこんなに話題をさらった新人なんていないよ」


「いやいやこんな志のないヤツが売れるはずないですよ」


「でもなー。このままフェードアウトもできないぞ」


「田城社長、半笑いしてますよね」


「私はテレビでショウを見てみたいな/シシ、やるべきだ」


「やれやれー♪」


相談した結果、本人の固い意思により当面は卓司の付き人扱いという形にした。  

こんな目立ち方でメディアに出るのは嫌だという設定である。


それを田城社長や卓司がメディアに話した。


結果――。


今どき見上げた根性だとさらに株はあがってしまい、さらに人気が過熱したのだった。


―――――――


「さらに盛り上がってるじゃないですか!」


卓司の付き人として中途半端に動いた分、どうしてもメディア露出もしてしまう。


適度に新鮮なネタを提供することとなり、ブームは終わらなかった。


「だからボクは最初からやろうって言ったじゃないですか」


「そうだぞ。もうさすがにオファーを断り続けるのはキツいぞ」  


仕方なくCMだけは受けることにした。


太陽プロにとってもいい仕事だしそこは頼みたいと言われてしまったからだ。


―――――――


「なんで5社も決めてるんですか!」


「これでも20社以上断ったぞ」


「マジですか?」


「嘘のつけない正直者の塊みたいなタレントだからな。企業は使いたがるに決まってる」


「ねえ狙った? もしかして」


「まあプロだしな。こういう売れ方もあるだろうなあとは思ったよ」


「ちきしょう、はめられた」  


CMともなれば契約でメイキング素材も使われる。

ワイドショーはこぞって素材を使い回してシシのネタを拡散していく。


本人が取材も受けないし他の仕事もしないから、希少価値が希少価値を産み、シシのタレント価値は落ちるどころか爆上がりし続けたのであった。 


そもそもタレントとしてのポテンシャルは本人が思っているよりかなり高い。

なんせ業界30年をかけてタレントの魅力を伝え続けてきたので、タレントの仕事にはめちゃくちゃ詳しい。


こうされたら嫌、こうされると助かる、そんなこともスタッフ目線で理解しているから、スタッフ受けも当然抜群。

身内の評価は業界内に広まるから中からのシシの評価も上がり続ける。 


メディアやファンに求められているものは当然わかる。


17歳の見た目に55歳の経験値。

持ってるポテンシャルが違うのである。


CMの仕事に伴う会見での受け答えも絶妙に良い。

ちゃんと真面目に答えるし、適度に笑いも持ってくる。


なによりメディアをとても大切にする。

元が取材する側なのだから当たり前なのだがそれが好感度を爆上げしてくれる。


こうして本人の思いとは別にタレントとしての価値はどんどん上がっていくのだった。

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