1-8 めんそ~れ
家に戻ると早めの奉納だ。
買ってきた狼屋の羊羹を魔法袋に収納する。
一緒に熱いお茶と手紙を入れておいた。
「これは甘味というものです。熱いお茶と一緒にお召し上がりください」
さてと。
その後も競馬で資産を増やし続けた結果、私の資産は50億を超えていた。
あとは固い運用で資産を転がしつつ、不労所得でそれなりに暮らせる生活になっている。
「お金がお金を産んでるな。こうやってお金持ちは勝ち組になるんだな」
まあ半分くらいは税金になるのかなあ。
今度調べてちゃんと備えておこう。
新会社の税理士さんに相談だな。
預かっている仕事はあるしまだまだ働くけれど、とりあえずの余裕はできた。
そして今日からしばらくは特に予定がないので木花と咲耶のお勉強タイムだ。
さっき渋谷で買っておいた日本地図を広げて壁に貼る。
「木花、咲耶、これがいまオレたちが住んでいる日本という国だよ。この辺にこの家がある」
「へえ! 日本は広いんだな/ほんと広いね」
「そう思うよな。で、これが世界だ」
私は地球儀を出す。
「日本はここだよ」
「日本ちっさ! 世界ひっろ!/びっくりです」
「ふたりにはもっといろんなものを見せていろんなものを食べさせてあげたい。あちこちに連れて行ってあげたいんだ」
女神が抱きついてくる。
「嬉しい!/ 楽しみだぞ!」
「でさ。急なんだけど、とりあえずしばらくヒマだからさ。これから沖縄に行かないか?」
「「「!!」」」
「ラフテー行きます!/チャンプル行くぞ!」
「雪塩ちんすこうなのよ♪」
ソーキ祭り以来、みんなは沖縄に夢中だ。
どうやらいろいろ勉強してたらしいな。
主に食べ物だけど。
エアはチェック済。
シーズンでもないし空いていた。
さっそく荷造り!
といっても収納に放り込むだけだけど。
向こうはクルマ必須なので、マイカーも持って行くことにする。
仲の良い俳優が譲ってくれた米国トヨタのピックアップトラックのタンドラだ。
キャノピーをつけてあるお気に入りだ。
「よし! 行くぞー!」
―――――――
ということで、那覇にきた。
当日思い立って沖縄にいるなんて破天荒すぎて楽しい。
飛行機では女神が大はしゃぎだった。
ナビィはずっと機内映画を観ていたな。
明日からは毎日離島を回っていくのだ。
今日は夕飯を食べて寝るだけなのでこのまま那覇に泊まる予定。
本命は明日からの石垣島と宮古島だ!
ホテルから国際通りの裏にある居酒屋に向かう。
素朴ながら美味しいと地元で人気の店らしい。
まずは沖縄料理を堪能させてあげよう。
個室が空いていたのでそこに入らせてもらう。
で、お店の人が驚くくらい食べた。
女神とナビィが止まらなかった。
あのさ、いいけどね。
ナビィなんてこんなちっさいのに。
胃袋、異次元に繋がってるだろ。
「食べ過ぎだろ。あと1週間くらい滞在するんだぞ。飽きちゃうよ」
「飽きないわ/飽きるはずがない」
「本場は違うのよ♪」
「そりゃそうだ。食材も新鮮だしな」
「たくさん買って帰りましょう!/買うぞ!」
「それもそうだな。収納は時間停止だもんな」
明日からはホテルではなく1棟貸しのリゾート泊だ。
キッチンもついてるしいろいろ買っておいたほうがいいかもな。
「今日は早く寝るぞ! 明日は朝から市場で買い物だ!」
「わーい♪」
「いいな!/いいね!」
創造神さまには雪塩ちんすこうとサータアンダギーを届けておく。
手紙にも沖縄にしばらくいることを伝えておく。
それからみんなでくっついて寝た。
ナビィが寝たので袋に戻して、することはした。
もちろんです。木花と咲那が大好きですので。
翌朝、朝イチで公設市場へ。
みんな楽しみだから早起きも苦ではない。
なんならいつもは最後まで寝てる女神が一番早く起きたくらいだ。
肉も野菜も欲しいものをたんまりと手に入れる。
豚の顔があったのにはみんなで驚いたけど。
今日からはアイランドホッピングだ!
まずは石垣島へ!
那覇から飛行機であっという間に到着。
タンドラに乗り込みコテージに向かう。
途中で買い物をして楽しくドライブ。
季節外れたけど水着を売っている店があったので買うことにした。
コテージには温水プールがついてるから泳げなくもない。
てかオレたちしかいないから裸でいいんだけどな。
前に石垣島に来たときは星空に圧倒された。
知ってる星座が見つからないほど星の数が多くて感動したのを覚えている。
近眼だったのに宙には星が溢れていた。
あれをみんなに見せたいんだ!
コテージにつくと木花と咲耶が叫んだ。
文字通り、叫んだのだ。
もう大喜びである。
案内してくれた管理人も笑っていた。
ここはオールインクルーシブで大きな冷蔵庫に詰まっている飲み物は好きなだけ飲める。
好きなものが無くなったら、連絡すると離れにいる管理人が希望の飲み物を追加で持ってきてくれるシステムだ。
なんか贅沢でいい感じだなあ。
適度な距離感でもてなしてくれるので芸能人にも人気の隠れ家だと聞く。
説明をしてくれた管理人さんが退室する。
とたんに女神とナビィが小躍りして騒いでいる。
嬉しすぎて壊れたっぽい。
気持ちはわかる。
―――――――
「これは楽しいな」
ビーチチェアに寝転んでプールで泳ぐ女神を眺めるだけで幸せだ。
泳げなかった女神も午前中の特訓であっという間にスイスイ泳げるようになっていた。
結局、水着は最初しか着てくれなかった。
まあ、眺めは100倍増だからいいけどね。
昼食はソーキそばとジューシー、ゴーヤチャンプルを作って食べた。
そしてまた女神たちはプールに飛び込む。
飽きないのかなあ。
夜になると庭でバーベキューだ。
石垣牛を大量に焼き上げていくそばから3人が平らげていく。
よし、旅終わりに体重を計らせよう。
違う悲鳴が起きるに違いない。
食後はビーチに出た。
空を見上げたらとんでもない星の洪水だった。
若返って目も良くなったらしい。
星座を見つけるどころではない。
目を凝らせば望遠鏡じゃなきゃ見えないような星雲まで見ることができた。
星が大好きだった私は感動した。




