0 落ちる
私は獅子川 湘。
中堅出版社に務める55歳。独身である。
正確にはバツイチだけど。
祖父から引き継いだ都内の一戸建てに住んでいる。
父が一昨年、母が今年と他界して、放置されていた祖父の家を相続したのだ。
昭和初期に建てられた古い家屋だが作りはしっかりとしておりまだまだ十分に住める古民家だ。
ただ、兄弟が多かった時代で部屋数が多いのは少し手に余る。
特技ではないが中学から高校、大学まで続けたバスケはわりと得意だったかな。
あ、あとスノボも好きだったかも。
得意じゃないけどゴルフにハマってた時期もあったな。
そして割とモテる方だったと思う。
中2から今の身長(188)だったので背が高く、顔もそこそこだったので……割とじゃないな。
ぶっちゃけめちゃくちゃモテた。
今も歳の割にはモテる気がする。
気のせいかもしれないけど。
仕事はそこそこ上手く行った。
編集者にもいろんなタイプがいるが、私は社交的な超マルチプレイヤー。
クセの強い業界人に揉まれながら協調性と調子の良さでスイスイと出世してきた。
ともあれ、まあまあそれなりに楽しく生きてきた。
――走馬灯ならもっと色んなことを巡らせるものだと思ったが、案外そうでもないんだな。
そんなことを思いながら。
私は今、真っ暗な闇の中を延々と落ち続けていた。
お読みくださりありがとうございます。
実は初作品と少し世界をリンクさせてます。
前作を読まなくても完全成立させますが、読んでいただけたらもっと楽しんでいただけるようにしたいなと思ってます。
そのあたりも楽しみに読んでいただけたら嬉しいです。
↓前作
ゾンビが交ざる新世界までのカウントダウン 〜業界人が気まぐれな神からもらったチート能力で無双しながら現実世界を救う物語
https://ncode.syosetu.com/n0717kl/




