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晧の章 ボーイズ、計画を立てる(プロローグ)
立場も境遇も違う三人の少年たち。
彼らはとある目的のため、街はずれにある廃工場跡に集う。
果たして彼らの目的は…?
工場に行く日は朝から足取りが軽い。
早く家を出ても早く行けるわけじゃないのに、僕はじっとしていられずに、急いで家を出てしまう。
放課後が近づくにつれそわそわしてくる。
頭の中で最短ルートを確認して、終礼が始まるころにはもう上の空。今日すべき作業を頭の中で確認する。
早く二人に会いたい。
起立、礼、が終わるとクラスの誰より先に教室を飛び出す。学校から工場まではけっこう距離があって、ずっと走っていられるわけではないけど、でも気が急いてしまう。
高架下を駆け抜けて、校区の外に出る。
いくつもの路地を抜けるとちいさいバラック群が見えてくる。その角を曲がると荒れた空き地の向こうに目的の工場がある。
ここまで来るとすっかり息が切れているけど、そのまま空き地を突っ切って工場に飛び込んでいく。
工場に入った途端視界は少し暗くなり、それと反転するように僕の心には陽が差したようになる。