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エナジクト──漆黒のバーサーカーと至高の最弱ヒーロー  作者: ノミオ
第三章──潜入捜査という名の青春、開始
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アタシー7


「は?」


ソラちゃんが背後を振り返る。そこに立っていたのは──刀を構えた永月だった。


「ながつ……き」


「あれ~? おっかしいなぁ。扉に結界張ってたんだけど?」


「んなもんあったか? 気付かなかったな。まあ、テメェの結界なんて、その程度ってことだろ」


「ていうかさぁ。これ、アタシの腕、どうしてくれんの?」


ソラちゃんが手首から先が無くなった自分の腕を永月に見せる。

永月は意図を掴めないかのように首を傾げた。


「知らねぇよ。んなもんテメェで何とかしろ」


「は? ……もしかして、バカにしてる? このエランで上流階級のアタシを? ……死ねよ。この、ハーフのゴミオス風情がぁっ!!」


キレたソラちゃんが私の上から飛び退き、永月へと向かっていく。

その瞬間、ソラちゃんの腕は瞬く間に再生し、その手には永月と同じ刀が握られていた。


ギィン!


永月の刀とソラちゃんの刀がぶつかる。

両者とも睨み合い、刀を押し合っている。しかし永月が劣勢なのは明らかだ。


彼の表情が険しくなり、足元が後退する。このままじゃ押し負けてしまうだろう。


私、早く加勢しなきゃ……そうだ。手袋。


朦朧とする意識の中、やっと自由になった血塗れの手を手袋へと伸ばす。


「あっはは~! よっわぁ~。そんな赤ちゃんみたいな力でアタシに挑んだわけ? 口だけにも程があんでしょ。だからアタシ、クソ雑魚ゴミオスって大っ嫌いなんだよねぇッ!」


「ぐっ!」


永月の刀が弾かれ、彼の手元を離れる。踵が滑り、押し負けた勢いで背中から倒れ込む寸前だ。


「もらったぁっ!」


ソラちゃんが刀を振り上げ、体勢を立て直すことすらできない無防備な永月へと、目一杯の力を込めて振り下ろす。


「永月っ!」


手袋を外した私は叫んで起き上がり、永月へと左手を伸ばした。黒い霧がマッハで飛んでいく。


鋭利な切っ先が永月のネクタイを切り裂いたその刹那、黒い霧が滑り込む。

そして永月の身体を守るように壁を作った。


ガキィンッ!


「っ!」


ソラちゃんの表情が驚きに変わる。黒い壁が刀を弾き、そしてその切っ先を折ったのだ。

バタンと永月が倒れる。それと同時に、ソラちゃんは私を振り返った。


「は? 何、さっきの」


「……これは私の力。特別な力を持ってるのは、ソラちゃんだけじゃないんだよ」


「いやいや、そういう事言ってんじゃないの。なんでアタシの邪魔してんだよって聞いてんだけど?」


「だって永月は、私のバディだから」


「バディ? ああそっかぁ~こいつもホルダーだもんねぇ。あははっ! クソ雑魚ゴミオスハーフがバディなんてかわいそ~! でもゴミ同士お似合いだねっ!」


ソラちゃんが左手を横に突き出す。

すると放送室が姿を消し、上下左右の感覚が麻痺するような、どこまでも続く宇宙空間のような景色へと変化した。


「ここは──」


「アタシの固有結界。不可侵領域だよ。ここなら誰にも邪魔されずにやり合える。いいよ。そんなに喧嘩したいなら相手してあげる。でも、そこのクソゴミ雑魚オスは拒否しま~す。男が女の喧嘩に首突っ込むとか、あり得ないし?」


「なっ!?」


永月の両手両足にかせが出現する。もがいてるけどびくともしないようだ。


「くそっ……刃金はがねっ!」


「大丈夫だよ永月。ここは私に任せて」


「は? お前何言って──」


「ソラちゃんは私の友達だから、私が倒す……お願い永月」


「……分かった。もし負けやがったらぶっ殺すからな」


「うん。ありがとう」


永月の周囲に黒い壁のガードを作り、ソラちゃんをキッと睨みつける。するとソラちゃんは余裕を含んだ笑みで私を見た。


「ふーん。まだ友達のつもりなんだぁ? ウケる~。じゃあ友達同士仲良く殺し合おっか。ま、アンタなんてアタシの足元にも及ばないだろうけど?」


「いいよ。とことんやり合おう。ただし勝つのはあんたじゃない。この私だけどね」


ソラちゃんとやり合うには剣は不便かも。機動力上げるためにも、ナイフにしよう。

黒い霧をナイフの形にし、表情を引き締めて握る。


するとソラちゃんもナイフを出現させ、構えた。


「あ~あ。アイちゃんってほんっと可哀想。生意気通り越して傲慢だね。素直にアタシの言うことに『はいはい』言ってれば仲良くしてあげたのに……生まれてきたこと、後悔させてあげる」


私達は互いに相手に狙いを定めるように睨み合い、同時に駆け出した。

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