表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エナジクト──漆黒のバーサーカーと至高の最弱ヒーロー  作者: ノミオ
第三章──潜入捜査という名の青春、開始
42/77

アタシ-1

猫を想起させるような、少し吊り目のぱっちりとした大きな瞳。きめ細かな白い肌。彫りの深い顔立ち。短く改造されたスカートから覗く、すらりとしたスレンダーな体躯。

彼女が動くたびに揺れる、色素の薄いクリーム色のショートヘア。


この子。纏ってる空気が他の人と全然違う。

なんていうんだろう、あまりにも綺麗すぎて場違いというか。いい意味で浮いてるというか。なんか……光って見える。


周囲を見渡すと、全ての人がその子に釘付けになっていた。


「誰だあの子? すっげぇ美人……なんかテレビで見たことあるような」


「やべぇ……もはや女神じゃん……」




「ソラちゃーん! 久し振り~!」


「ほのちゃ~ん!」


女の子がこちらに駆け寄り、ほのかちゃんにハグする。

近くに来るとクラクラするくらいいい匂いがして、キラキラしていて、そしてやっぱり凄まじく綺麗だった。


「ふえ~ん! ソラちゃん全然会ってくれなかったから寂しかったよぉ~!」


「はいはい。今日はその分構ってあげますからね~」


ほのかちゃんが泣き真似しながらソラちゃんに抱きつく。

「まーたイチャイチャしてる」とアキラちゃんが微笑み、ソラちゃんは「おーよしよし」と、まるで小動物にそうするみたいに、ほのかちゃんの頭を撫でていた。


すごい。これが漫画で何度も読んだ女の子同士のじゃれ合い、リアルバージョンか。

と……尊い。


ていうか、この子絶対エランじゃん。やばい。私いない方がいいんじゃ。

エランとテランが友達になるケースは結構あるって聞くけど、エランとハーフが友達になるなんて、どう考えてもあり得ないし。


「あれ? この子は?」


長い睫毛に縁取られたミルクティーブラウンの大きな瞳が私を捉えた。

そのままじっと見つめられる。私はオーラに気圧されて、俯いてしまった。


「ソラちゃん紹介するね。この子は刃金はがねアイちゃん。なんと、入学式の日にお友達になりました~っ!」


「へ~? アイちゃんかぁ。その髪色……もしかしてハーフ?」


「は、はい……すいません……」


「なんで謝るの? 変なの~……あ、そうだ。アイちゃん。これお近づきの印にどーぞ」


「へ?」


ソラちゃんが鞄からゴソゴソと何かを取り出し、手渡してきた。

それはブランドに疎い私でもその存在を知っている。女子に人気のハンドクリームだった。


「え、これ……貰っていいの?」


「うん。この間の撮影でいっぱい貰ったんだぁ~」


「撮影?」


「ソラはモデルやってんだ。有名な雑誌とかファッションショーに出たりもしてるんだぜ?」


「モデル……すごいね」


「へっへーん。まあそれほどでも? 家に余ってるコスメ、今度アイちゃんにも持ってきてあげるね?」


「あ……ありがとう。でもそんな、いいの?」


「当たり前じゃーん! 友達なんだから!」


「え、私、ソラちゃんの友達に……なっていいの?」


恐る恐る問いかけると、ソラちゃんは笑顔を浮かべ、私に手を差し出してきた。


「アタシはソラ。宇宙こすもソラだよ。これからよろしくね。刃金はがねアイちゃん?」


ぎこちなくその手を握る。華奢で冷たい手だった。


「ソラちゃん、あの……よろしくね?」


そう返すと、ソラちゃんは私の手を包み込むように両手で握り、白い八重歯を見せて無邪気な笑みを浮かべた。


すごい。この子エランなのに、私に普通に接してくれる……天使じゃん。

それにこんなに綺麗なのに陰キャの私に優しくしてくれるなんて……好き……好き!


そこまで考えて、ふと冬華の顔が頭に浮かんだ。

はっ! 違うよ冬華!? 私の中のナンバー1は圧倒的に冬華だから! それは何も変わってないから!


「ねぇお腹すいたよぉ~早くクレープ食べ行こ?」


「もう、ほのかは食いしん坊だなぁ。さ、行こうアイちゃん」


「うん!」


それにしても、ソラちゃん綺麗だなぁ~。

全身が光って見えるというか。目が離せないというか……あれ? この感覚って……もしかして?




「聞いてよ永月! 昨日会った他校の宇宙こすもソラちゃんって子が、すっっっごい怪しかったの!!!」


「はぁ?」


翌日の放課後、車の中。呆れ顔でこちらを見る永月に、私は事実を叩きつけた。


「第六感ってやつかな!? すぐに分かったの! この連続失踪事件の犯人は……ソラちゃんで間違いないって!」


「……根拠は?」


「だってソラちゃんすごく美人でさ、光って見えたんだって! こう、キラキラ~って! それにクレープ食べる時『ホイップ抜きで』って言ってた! あり得なくない!? そのお店、ホイップ5倍無料なんだよ!? ねぇ、どう思う!?」


「声デケェし話纏まってねぇし根拠ねぇし、クソだなと思った」


「勘だって! 私の勘が絶対間違いないって言ってんの!」


「そいつ他校の生徒なんだろ? それに失踪事件が始まったのは今年の1月から。入学すらしてない生徒が校内に入るなんて不可能だ。そんな奴が一体どうやって校内で生徒を攫うってんだ?」


「……それは」


「それに、そいつはエランの中でも特権階級のやつだ。事情聴取するにしたって、いくつかの機関に申請と許可が必要になる」


「そんなに? ソラちゃんって、一体何物なの?」


「……お前。この国の首相が誰か、知らないのか?」


「へ? 首相? あー……私あんまりテレビ見ないから」


宇宙こすもセイラ。この国始まって以来初の女性首相だ」


宇宙こすもセイラ? 宇宙こすもって……え、まさか」


「つまりあいつは、この国の現首相の娘ってことだ」


「ソラちゃんが……首相の娘ぇ!?」

↓の★マークでのポイント評価、ブックマーク、感想、いいねなどもらえたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ