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エナジクト──漆黒のバーサーカーと至高の最弱ヒーロー  作者: ノミオ
第三章──潜入捜査という名の青春、開始
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ビビデバー5





「アイちゃんおはようっ」


「アイ、おはよー」


翌日登校すると、ほのかちゃんとアキラちゃんが私の顔を見るなり笑顔で挨拶してきてくれた。


ああ、学校に登校したら友達に「おはよう」がもらえる生活……ほんと夢見たい。

多幸感に浸りながら席に座り、私は満面の笑みで挨拶を返す。


「ほのかちゃん、アキラちゃん。おはようっ!」


「アイちゃんこの間大丈夫だった? すごく急いでたみたいだったけど」


「へ? あ、ああうん。ちょっと親に急に呼び出されちゃって……本当にごめんね?」


「気にすんなって。今日も放課後どっか遊び行くかー」


「あ、あのー……ごめん、私、放課後は用事あって行けないかも」


「え? そうなの?」


ほのかちゃんが眉を下げ、目を丸くして問いかけてくる。


うう……ほんとはめちゃくちゃ行きたい。でも私はホルダーなんだ。

市民の平和を守るためにも、パトロールを優先しなくちゃ!


「うん。ちょっとバイトが立て込んじゃってて……ほんとごめんね?」


「そっか~じゃあ今日はソラちゃんと3人かな?」


「こないだほのかが食べたいって言ってたクレープ食べに行くか」


「……クレープ?」


思わずぴくりと耳が反応してしまう。

クレープかぁ。冬華と買い物デートした時食べたけど、めちゃくちゃ美味しかったんだよなぁ。


「確かホイップ5倍まで増量できる店だよな」


「ご、5倍!?」


「そうそう。このお店だよっ!」


ほのかちゃんがスマホを見せてくる。クレープ屋さんのイソスタだ。

ポップでファンシーな内装に、フルーツやソースでカラフルに彩られた生クリームたっぷりのクレープ。

まさに女子の『好き』を狙い撃ちしたようなお店だ。


うわぁ~いいなぁ~。こんな素敵なお店、行ってみたいってずっと思ってたんだよなぁ~!

しかも友達とこんな所にいけるなんて……どうしよう。哨戒……サボっちゃおっかな?

……ハッ! ダメダメ! 私には、6課のホルダーとしての大事な任務がぁ~!!




「行ってきていいぞ」


「え!? いいの!?」


放課後、永月の車の中で私は思わず叫んだ。

ダメ元で遊びに行きたい旨を伝えてみた所、あっさりと了承されて拍子抜けする。


「声がデケェんだよクソバカ野郎」


「え、私……本当に行ってきていいの?」


「今日は哨戒する余裕がねぇからな。クソ先輩共に頼まれたクソ事務処理がクソみてぇに溜まってるし、その後は──」


「その後は?」


ブブブ、ブブブ。

永月のスマホが着信を知らせる。画面を確認した永月は途端にしかめっ面になり、赤いボタンの方をタップした後、スマホを後部座席に放り投げた。


ブブブ、ブブブ。

後部座席でスマホが再び着信音を知らせる。


「鳴ってるけど、出なくていいの?」


「鳴ってない。幻聴だ」


「もしかして、そむくさん?」


「ああ、『この間の埋め合わせをしろ』だと」


「この間って……もしかしてあの時の?」


「……まあな」


忌々しげに言って、永月は電子タバコに口をつける。そしてため息とともに白い煙を吐いた。


「ねぇ、変なこと聞いていい?」


「なんだよ」


「乖さんって、本当に永月のお父さんなの?」


「……どうしてそう思った?」


「顔はすごく、本当に似てるんだけど。なんか……根本が全然違うような、そんな気がして」


「……ご明察」


永月は再び白い煙を吐き、フロントガラスの外を眺めながら続けた。


「あいつは戸籍上の父親だ。でも血は繋がってない。いわゆる養子ってやつだよ」


「……やっぱりそうなんだ」


そうか。だから乖さん、永月に『あんな事』が出来るんだ。

……でもやっぱり酷いな。血が繋がってないとはいえ、息子であることは変わりないのに。


「んなことはどうでもいい。ほら、さっさと行けよ。友達待たせんな」


「あ、うん。じゃあまた明日っ!」


私は永月の車を降り、すぐにほのかちゃんに連絡を取った。




「あ、アイちゃーん! こっちだよ~!」


「よお、来たな」


「ほのかちゃん、アキラちゃん、おまたせー!」


こちらに手を振っている二人に駆け寄ると、ほのかちゃんにぎゅっと抱きつかれた。香水の甘やかな香りに包まれ、心がほやほやになっていく。


ああ~これだよこれぇ……これこそが私の求めてた青春! 青春最高ーっ!


「そういえば、もう一人のお友達は?」


「ああソラちゃん? もうちょっとで来るって」



「ほのちゃんアキラちゃん、おっはよー!」


突然高らかな挨拶が聞こえて振り返る。見ると、他校の制服を着た女子が、こちらに手を振りながら歩いてきていた。

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