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第97話 給料日とステータス制限解除(一部)

 両親が俺のやっていることを詮索しないと決めてくれたこともあり、俺は実家で割とのんびりとした時間を過ごすことができた。


 そして十分な休息を終えた後、俺はとある日を迎えていた。


 そのとある日とは給料日。


 視聴者数や貢献度などによって運営からダンジョン配信者にDPが配られる日の事である。


(前は七千万DPだったな)


 あれから中級、上級ダンジョンを攻略するなど前人未到の活躍を次々と成し遂げてきたのだ。


 それもあって俺のダンジョン配信チャンネルの視聴者数など世界で断トツのトップを更新し続けている。


 だとすれば給料日で貰えるDPも以前よりもずっと多くなっていると思われた。


「まあ今回のステータスの制限解除に必要な1億DPがあれば、とりあえずは問題ないな」


 上級ダンジョンを攻略したことでアイテムを現実世界に持って帰れるようになったように、ステータスやスキルも一定のDPを消費すれば制限解除をすることができる。


 即ち現実世界でもアルバートがダンジョンで行なっていたような超人的な力を発揮できるようになるのだ。


 と言っても上級ダンジョンの攻略では全てが制限解除できる訳ではない。


 上級までのスキルで制限解除に必要とされるDPは数百万DPから数千万DP。

 どんなに高くても数億DPといったところ。


 それに対して特級スキルは、その大半が数千億DPとか今の俺でも無理なDPを要求されてしまうのだ。


 更にステータスに関しても上級ダンジョン攻略までだと制限解除できるのは100までとなっている。


「特級スキルは特級ダンジョンを攻略することで大半がかなり安くなるし、神級もそれと同じ形だね」

「それでステータスも特級ダンジョンを攻略すれば200とか300とかまで制限解除できるようになるってことか」


 今でも兆とかのDPを掛ければ全ての制限解除はできるようだが、そんなDPを手に入れるのはアルバートである俺ですら実質的に不可能だろう。


 つまりは『千変万化』などの特級スキルを現実世界で使えるようになるのは、まだまだ先にならざるを得ない訳だ。


(全ての制限解除をするためには神級まで攻略するのが必須ってことだな)


 それでも100のステータスの力を現実世界でも発揮できることの意味は大きい。


 それだけの力を発揮できるのなら、仮にアルバートの正体が誰かにバレても対処できるはずだ。


 少なくとも暴力で無理矢理いう事を聞かせようとしてくる奴らは敵ではなくなる。なにせモーフィアスの話ではVITが100もあれば銃器で傷付けるのも難しいとのことだし。


「それこそ至近距離で余程強力な威力の銃を放たれでもしない限りは効かないし、何ならそれでも多少傷つく程度で済むと思うよ。もっとも君にそんな事をしようとする奴が現れたのなら、そうなる前に私が対処するのだけどね」


 そういう訳で俺の身の安全は運営によって守られているに等しい。


 これまで着実に運営の依頼をこなして、関係を深めていた甲斐があったというものだ。


「それで肝心のDPは幾ら入ったのかなっと……うお、マジか」


 我ながら驚くのも無理ないだろうと思う。


 なにせそこには約二億四千万DPという前の三倍以上の給料が振り込まれていたのだから。


 流石はダンジョン配信のトップを独走するアルバートという規格外の男。


 これならステータスの制限を解除しても十分にお釣りがくるというもの。


(だとすると残りのDPはどうするかな?)


 これなら上級スキルを幾つか制限解除することもできるだろう。


 だが今のところ現実世界で魔眼スキルとか使う予定もないし、使ったらヤバいことになるのは目に見えている。


 だとするとそれ以外に日常生活でも役に立ちそうなスキルを選んだ方が良いだろうか。


「そういうのだと『千里眼』とか『生命探知』とかが良さげか?」

「あるいは次の給料日で制限解除すること考えて、現実世界でも有用そうなスキルを購入しておくのでも良いんじゃないかな。ほら、回復系のスキルとかは色んな場面で役に立つだろうし」


 確かにステータスの制限を解除してMPを使えるようになっているのなら、その選択肢もアリと言えるかもしれない。


「……てか思ったけど、制限解除に必要なDPは戦闘系のスキルよりも『千里眼』とか回復系のスキルとかの方が高いんだな」


 通常の購入時の時は大半の戦闘系のスキルの方が高い傾向にあるというのに。


「基本的に現実世界で色々な使い道があるスキルほど制限解除の値段は高くなっている形だね。だからダンジョンではあまり使い道がなくて通常では安いスキルでも、制限解除する際に信じられない高額になっているケースなどもあるよ」


 回復スキルなどが特に高いのも、そのようなケースの一つということか。


 それこそ中級の回復スキルでも億に近いDPを要求されるように、他よりもかなり割高なようだし。


「うーん、悩むな」


 今の自分が持っているスキルだけでなく、ショップを見ながら何か現実世界で有用そうなスキルがないか探す。


 だが魅力的なスキルが色々あり過ぎて、どれにするか決めきれないと言うのが正直な気持ちだった。


「……とりあえず『生命感知』の制限を解除してみよう」


 中級スキルにしては五千万DPと高めだが、それでも他のスキルに回す分のDPは確保できている。


 これでスキルを現実で使用するとどんな感じになるのかを試してみて、その上で次に何を買うか決めるとしよう。


 母の時の様にタイムリミットが決められている訳ではないのだし、別に急いでDPを使い切らなくても良いのだから。


 そうして俺は全てのステータスを100までと『生命感知』のスキルの制限を解除して、アルバートの力を部分的に現実世界で使えるようにするのだった。

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