第82話 運営公認の懲罰と触れてはならぬ存在
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「対戦ありがとうございました」
呪い殺されて精神に拷問を受けたような大きなダメージを受けた上で消えていく対戦相手に、俺はそんな言葉を投げかける。
なにせどんな相手にも礼儀は大切だからだ。
決していい気味だと思いながら煽っている訳ではないのであしからず。
この「本当の最強のダンジョン配信者! ヒロヒコチャンネル!」のように嫉妬などの感情から他のダンジョン配信者に対してコメントを連投するなどの迷惑行為を行なう輩は一定数存在している。
運営の方でもいき過ぎている奴には警告や罰を与えているそうだが、直接的な干渉ができないこともあって、中には警告や罰を受けても懲りずに繰り返す奴もいるのだとか。
(ダンジョン配信者としての資格停止だけでなく、本名とか居住場所を晒されても一向に反省しないとか無敵かっての)
国や立場のある人間だとそういう暴露とかの罰が劇的に効くのだが、逆に何も持っていないからこそあまり意味がない場合もあるらしい。
あるいはバカ過ぎて物理的に痛い目を見ないと理解できないのだろうか。なんにしても救い難いとしか言いようがないものである。
そしてそのようなどうしようもない奴らの大半がアルバートというこれだけ目立っている対象を標的にしないはずがなかった。
しかもそういう奴がいるのが日本だけでなく、運営からもらったこの機会で一緒にお灸をすえて欲しい対象のリストには世界各国の問題人物が記されていたのだった。
そしてそれはダンジョン配信者に限った話ではなく、そういう奴らでも容赦なく闘技場に連行してもらえるようになっている。
なにせこれはある意味で運営公認の懲罰なので。
(呪い殺されるあの苦しみを経験してなお、それでもまだ迷惑行為を継続するほどの根性がある奴がどれだけいるもんかね?)
とりあえず俺はその後も順調に問題人物共に挑戦状を叩きつけては闘技場に召喚し、呪い殺してしっかりと痛い目を見せていく。
運営としてもこれでダンジョン配信の邪魔になる奴がいなくなれば丁度いいとかで、今回の俺の行いに全面的に協力してくれていた。
運営とズブズブの仲じゃないかって?
残念なことにそれは最初からである。
でなければ挑戦を拒否させないなんてできないに決まっているではないか。
こんな一方的に痛めつける行為を他の普通の配信者にやったのなら、むしろ俺の方が罰を受けることになるだろうに。
だからこそ勿論の事、こうやって強制的に地獄に引きずり込めるのは運営が許可を出した問題人物だけとなっている。
まあわざわざそんなことは配信では言わないので、この配信を見ている人はアンチをいじめているようにしか見えないだろうが。
別にそう思ってもらっても構わないので気にしないで良いだろう。
だってそう思われれば思われるほど、今後のアルバートに手を出そうとする奴も少なくなるだろうし。
それこそ魔王と呼ばれるように、恐怖の象徴としての立場が確立されることで。
「ど、どうして俺が!?」
「てめえ! ダンジョンの中だから良い気になりやがって! 外に出たら覚えてろよ!」
「け、警察を呼ぶぞ!」
「FU〇K YOU!」
そんな言葉を投げかけてくる奴らを片っ端から呪い殺してく。
(ったく、どいつもこいつも反省の弁はなしかよ)
そもそも正体が謎に包まれているアルバートにどうやって報復するのかという話だ。
それにこれをやると決めた時点でステータスを現実世界でも発揮出来る算段は付けてあるし、更には俺の専属となったモーフィアスがそういう輩の監視をしてくれるとのこと。
だから仮にサクラのように奇跡的に俺の正体を知ったとしても問題はない。
少なくとも俺に報復するのならアルバートよりも強くならなければまず不可能になるのだから。
そうしてリストにある奴らを只管に罰を与えることしばらく、一通りそれらを終えたところで俺は改めて配信上で宣言する。
「ああ、そうそう。前の雑談配信で言い忘れていましたが、上級ダンジョンを攻略したことにより、私はアイテムだけでなく一部のスキルやステータスも現実世界に持ち帰れるようになっています。ですから今回の件に限らず、もし私に現実世界で報復しようと思っている人がいるなら、それを覚悟した上で来てくださいね」
現実世界ではダンジョンと違って死なないなんてことはない。
『呪いの魔眼』などで呪い殺されれば本当に死ぬのだ。
それもこれ以上ないくらいの精神的苦痛に藻掻き苦しみながら。
「その際は全身全霊を持って歓迎させてもらいますし、容赦をするつもりもありませんから」
その日を境にアルバートに向けてのアンチコメントを表立って発する輩は激減することとなった。
更に運営の方でも迷惑行為を繰り返していた奴の大半が改善されたのを確認できたそうだが、それはある意味で当然の事なのだろう。
誰だって痛くて苦しい思いはしたくないものなので。
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